エポック社のワールドシリーズボードゲーム「スパイレイガン作戦」(OPERATION OF SECRET AGENCY)です。海外では、アイデアルが1968年に発売しています。
「スパイとなり、3つの敵国をうまく通り抜けて自国に帰ってくるゲームです。ルートには、検問所あり、レイガン(光線銃)あり、戦車や戦闘機がありで、何度となく逮捕、脱走を繰り返しながら、自分の国へ帰り着くのは大変です。誰が1番優秀なスパイでしょう?」。
ゲームには、以下の物が付属しています。ボード1枚、レイガン1個、格納庫4個、飛行機や戦車4個、赤・青・黄・緑の駒各1個、赤・青・黄・緑の検問カード各A~L。
ゲームの準備: 4人で遊ぶことができます。自分の駒(スパイの人形)をそれぞれのスタートのところに立てます。自分の絵と同じ形の格納庫を所定の場所に置きます。
自分の色の検問カードのAからLまでのアルファベットのうち、他のプレイヤーに分からないように3枚だけクレヨンなど後から消せるもので×印をつけておきます。じゃんけんをし、勝った人から左回りにスタートします。
ゲーム開始: サイコロを2個同時に振り、その合計の数だけ自分のスパイを進めます。スパイは、赤の点線通りに進みます。自分の国は安全に進めますが、敵陣にはいろいろな妨害があります。その妨害の方法は、以下の通りです。
イ. 検問カードの×印をつけたところに他国のスパイがちょうど止まったら、伏せてあったカードを相手に見せて、「逮捕する」と声をかけて留置場に入れます。
中心より右側で捕らえた時は右側、中心より左側で捕らえた時は左側、の留置場に入れます。逮捕した人は、検問カードの×印をすぐに消して、新しく3枚の検問カードに×印をつけて伏せておきます。
ロ. 攻撃用兵器でスパイを追跡逮捕することができます。兵器を使う時は、自分の順番が来た時に「出動」と言って、サイコロを1個だけ振って、その数だけ黒い点線の上を直進します。
黒い点線上にいるスパイに追いつくか、追い抜いたら逮捕したことになります。中心より右側で捕らえた時は右側、中心より左側で捕らえた時は左側、の留置場に入れます。
攻撃用兵器は、攻撃目標がなくなれば、格納庫へ戻って次の出動まで待機します。格納庫へは、サイコロを振らなくてもすぐに戻れます。
ハ. サイコロを振って2個とも同じ目が出た時は、レイガンを操作することもできます。
レイガンの砲身を右回りに回すとネジがかかり、離すと「カチカチ」と回り出します。完全に止まったところで砲口の向いている区域にいるスパイは、光線銃で気絶したことになります。
中心より右側で捕らえた時は右側、中心より左側で捕らえた時は左側、の留置場に入れます。
Lから2つ目の角は特別ゾーンで、光線銃がどちらの区域を向いても捕まったことになり、左側(後方)の留置場に入れられます。
自分のスパイに当たった時は、セーフです。
ニ. 留置場に入ったスパイは、自分の順番が来たらサイコロを振り、2個のうち1個が、右側の留置場にいる場合は6、左側の留置場にいる場合は1、が出た時に脱出でき、サイコロ2個の合計の数だけ進めます。
ホ. 2人以上のスパイが同じところで出遭った時は、サイコロを2個振り、数の少ない方が格闘で負けたことになり、1回休みになります。
勝負の決め方: 3つの敵陣を通り抜け、最初に自分の国に戻ってきたプレイヤーの勝ちになります。
インプレッション
最後まで、ハラハラドキドキさせられるゲームです。レイガン、攻撃用兵器、検問カードと、3種類の攻撃方法があり、しかも、検問カードはこれでもかというほど用意され、どの検問カードがあたりなのかという恐怖感があります。
また、攻撃用兵器も、スパイが29マスかかるところを、わずか12マスで移動できてしまいます。29マスのうち8マスが攻撃用兵器の攻撃を受ける危険があるマスということで、このマスに止まっている時には安心できません。
加えて、この8マスには検問カードがなく、21マス中12マスが検問カードのあるマスという危険地帯の中を歩いてくるわけです。
そして、日本題にもなっているレイガンの存在が、このゲームの肝でもあります。「カチカチ」と音を出しながら回る砲身は、なかなか止まらず、通り過ぎたと思ってホッとしても、もう1周して戻ってくることもあります。この「カチカチ」音が心臓に悪いのです。
このゲームの少し気が楽なところは、敵に捕まって留置場に入れられても、少し戻されるか、場合によっては少し進められるという点です。
もちろん、サイコロの1か6を出さないと留置場からは出られないのですが、このあたりもよく考えられていると思います。
レイガンを必要以上に巨大に作ったのは正解で、この存在感がゲームのワクワク感を煽りますし、実際に面白いゲームにも仕上がっています。
コメント