「鈴鹿フォーミュラ・レース、シルバーカップ・レース」

1968年11月3日/鈴鹿サーキット
フォーミュラレースがメインとなっていますが、参加車両は9台だけで、ダイハツブラバム(矢吹圭造)、ホンダブラバム(松永喬、永松邦臣、木倉義文、高武富久美)、サニーブラバム(寺西孝利)、ブラバムコスワース(吉田隆郎、西野政治)、PARTO MK-II(Suparto Soejatmo)というエントラントです。このレースは2ヒート制で争われますが、ホンダvsコスワースといったところでしょうか。

プログラムの読み物は、けっこう充実しています。「特集 サーキットの人々」は、サーキットを訪れる観客、そこを走るドライバー、コースを守る続けるコース管理員、自動車雑誌の記者、名ドライバー・スターリング・モスなどのインタビュー記事などで構成、鈴鹿サーキットの魅力について語っています。
そして、レースごとに東京から鈴鹿サーキットに通ってくるある人の「私は、鈴鹿の草むらの中や、ガソリンの臭いに満ちたパドックへ、私自身を探しに来るのだ」という言葉で締めくくっています。
「「新しい星」の出現を期待する」は、大会組織委員の千々岩雄平ホンダランド取締役が、鈴鹿モータースポーツ・フェスティバルによせて、一筆したためています。
鈴鹿サーキットが「鈴鹿の道は世界に通ずる」を合言葉に開場して以来、2輪と4輪のグランプリを開催してレースの方向性を正しく示すこととモータースポーツの底辺を拡大することに力を入れてきたことを再確認。
その上で、未来のモータースポーツを背負って立つ名選手が生まれることを信じてやまないと結んでいます。
「星島浩フォーミュラ教室」は、連載の最終回で、F1、F2、F3などのフォーミュラカーの種類を解説するとともに、日本独自のフォーミュラカー規格についてもふれています。
この時期の日本には約40台のフォーミュラカーがあり、それを1000ccまで、1600ccまで、3000ccまで、といった具合にクラス分けしていることや、車両のレギュレーションに関して解説しています。

「特別座談会「鈴鹿ニ世」は健在なり」は、鈴鹿を世界の桧舞台に向かって走っている新人、いわば「鈴鹿二世」の人々を招いて座談会を行っています。
座談会参加者は、星島浩(自動車評論家)、江端良昭(鈴鹿サーキット)、松永喬(GSSグループ・オブ・スピード・スポーツ)、浅谷孝夫(HASC阪神オートスポーツ・クラブ)、伊藤一良(NRC名古屋レーシング・クラブ)、西野弘美(SCCN大阪ニッサン・スポーツカー・クラブ・大阪)、片倉司郎(TRT宝塚レーシング・チーム)です。
座談会では、モータースポーツを始めたきっかけ(家族がやっていた、メカニックとして入った、入門クラスからなど)、初めて鈴鹿を走った時の感激(回答はラップタイムが中心で、3分前後)、モータースポーツに対する家族の理解度(家族は応援しているがお金がかかる、仕事が自動車修理でチューニングがメインだから反対がないなど)、怖いと思うことはあるか(あります、4輪はハンドルを切っても曲がってくれないなど)、女性のモータースポーツへの参加について(妹が来ている、モータースポーツ好きの女性が2人来ている、女性は入れないことにしている、女性ヘルパーはありがたいなど)、自慢話(トップで飛び出して1周回った時、雨中のレースでトヨタ7やポルシェをダンロップブリッジの先で抜いた時、メカニックとの対話がうまく行った時、負けても悔いのないレースができた時など)について質問しています。
「写真特集 鈴鹿1000キロ自動車レース」は、同年9月23日に行われた同レースを、写真を中心に紹介しています。トヨタ7、ポルシェ・カレラ6、同10、ニッサンR380、ダイハツP-5、ゴースト、マクランサといった昔懐かしい名車を見ることができます。

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