「’75JAFグランプリレース」

1975年11月1、2日/鈴鹿サーキット
秋のグランプリ、「JAFグランプリレース」です。すっかりF2000慣れした日本勢に対し、ヨーロッパからトップクラスのドライバーが殴り込みをかけてくるのが大きな興味となっています。
ひとりは、同年のヨーロッパF2チャンピオンであるジャック・ラフィー。もうひとりは、ラルトRT-1を持ち込むバーン・シュパン。予選結果は、以下の通りで、日本に来てすぐに予選上位に入るのは難しいという結果になっています。

1. 星野一義(マーチ742BMW)1分57秒8
2. 藤田直広(ノバ02BMW)1分58秒9
3. 鮒子田寛(マーチ752BMW)1分59秒8
4. 長谷見昌弘(マーチ742ルノー)2分00秒1
5. 高原敬武(マーチ742BMW)2分00秒4
6. 桑島正美(マーチ742BMW)2分00秒7
7. 永松邦臣(マーチ752三菱アストロンR39B)2分00秒9
8. ジャック・ラフィー(マーチ742三菱アストロンR39B)2分01秒1
9. 長坂尚樹(マーチ722BMW)2分02秒2
10. 米山二郎(サーティーズTS15BDA)2分02秒4
11. バーン・シュパン(ラルトRT-1ブライアン・ハート420R)2分03秒6
12. 津々見友彦(マーチ732BDA)2分06秒2
13. 速見翔(ブラバムBT40BMW)2分08秒2
14. 岡田哲(サーティーズTS15BDA)2分17秒9

日本のトップドライバーが集結し、多種多様なマシンとエンジンにより争われた決勝は、星野一義が2周目からトップに立って、そのまま逃げ切っています。
2位は桑島正美かジャンプスタートを決めて粘り、3位は高原敬武が入り、バーン・シュパンはじわじわと追い上げて4位、ジャック・ラフィーはバーン・シュパンを追走したもののピットに入って1周遅れの7位、になっています。
サポートイベントの予選のポールポジションは、FJ1300が星野一義(マーチ733日産)2分09秒4、FL500が金田政行(ベルコ97Aスズキ)2分24秒6、T-Iツーリングが竹下憲一(スターレット)2分25秒0、がそれぞれ獲得しています。ちなみに、FL500に出場した中嶋悟(ベルコウエスト759スズキ)は、2分26秒6で予選6位です。

プログラムは、グランプリらしくページ数も多く、読み物なども充実しています。
「1975年JAFグランプリ 激戦必至 これがフォーミュラの魅力だ!」と題して、辻本征一郎とレース雑誌の編集長などが座談会形式でレースを占っています。
「’75JAFグランプリ出場者の横顔 栄光をめざす16人の男たち!」では、出場者16人を紹介しています。
ジャック・ラフィーは、1975年のヨーロッパF2選手権で6勝を挙げてチャンピオンを獲得していますが、モータースポーツの世界に入ったのはその8年前の23歳の時で、レースデビューは26歳という遅咲きです。
バーン・シュパンは、オーストラリア人で、日本でのレース経験もあり、今回はマシンデザイナーのロン・ターナック、エンジンチューナーのブライアン・ハートを伴っての来日です。
それ以外の読み物は、「鈴鹿サーキットの観戦スポット」、「11年の歴史 日本のフォーミュラ」、「時速280km/h F2000の速さを解剖する」、「これが世界のF-2マシン!」、「’75鈴鹿モータースポーツハイライト」、「人気急上昇の2輪ビッグレース」、「ドライバーの完全装備」、「鈴鹿の撮影ポイント」、「GPを生ロクで完全パック」、「知っておきたいレース用語」、などです。

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