「’74 JAFグランプリレース」

1974年11月2、3日/鈴鹿サーキット
「JAFグランプリ」のメインイベントとなるF-2000は、F-2000史上最高の12台がエントリーし、10台が予選に出場しています。出場を取り止めたのは、藤田直広(ノバ-02BMW)、北野元(マーチ742BMW)の2人で、日本製となるノバ、優勝候補の北野元が出ないのは残念ですが、それでも10台による白熱のレースが期待できそうです。予選順位は以下の通りです。

1.長谷見昌弘(マーチ742BMW)1分58秒6
2.高原敬武(マーチ742BMW)1分59秒1
3.桑島正美(マーチ742BMW)1分59秒3
4.永松邦臣(マーチ742三菱R39BII)
5.星野一義(サーティーズTS15BDA)2分01秒3
6.高武富久美(マーチ732BMW)2分02秒2
7.米山二郎(サーティーズTS15BDA)2分03秒5
8.津々見友彦(ブラバムBT36BDA)2分04秒3
9.鮒子田寛(ブラバムBT40BDA)2分05秒2
10.川口吉正(ブラバムBT36BMW)2分10秒6

2分を切り、かなり白熱した争いになっています。
サポートイベントは、FJ-1300、FL-500、ツーリングチャンピオンレースの3つ。
FJ-1300の予選順位は、1.長谷見昌弘(KE-FJ日産)2分08秒7、2.鮒子田寛(マーチ743ホンダ)2分09秒1、3.星野一義(マーチ733日産)2分10秒1、4.歳森康師(ベルコ98A日産)2分11秒0、5.高原敬武(ノバ-01ホンダ)2分11秒1、6.杉崎直司(マーチ743ホンダ)2分11秒6、7.谷口芳浩(アルピーヌA364日産)2分12秒1、8.森泰章(マーチ743トヨタ)2分12秒6、9.水谷敬一(ベルコ98A日産)2分13秒3、10.西野弘美(ウメダスペシャル日産)2分14秒1、となっており、タイムが出やすい秋とは言え、大幅にタイムアップしています。
ツーリングチャンピオンレースは、鈴鹿で常勝の長坂尚樹(サニークーペ)2分25秒2が予選4位に甘んじ、太田和義(サニークーペ)2分24秒5、高橋健二(サニークーペ)2分24秒6、杉崎直司(サニークーペ)2分24秒9、がトップ3を占めています。
FL-500は、力身修(ハヤシ709Sスズキ)2分23秒8、片山義美(KE-FJ-IIスズキ)2分23秒8、金田政行(ベルコ97Aスズキ)2分24秒0、が4番手以下を引き離すタイムを叩き出しています。

プログラムの読み物は、「<JAFグランプリ>のみどころ」、「F-2000マシン解説 F-2(F-2000)とはこんなマシン」に続き、「国産F・2マシンにかける若きエンジニア-解良喜久雄」があります。
解良喜久雄は、ノバエンジニアリングのチーフエンジニアです。彼は、NOVAと名付けられたミニグループ7カー、アウグスタMK-II、IIIに続き、FJ-1300のノバ-01、F-2000のノバ-02をデザインしています。
ノバ-02は、由良拓也がボディカウルを製作しており、解良喜久雄自身がレーシングドライバーとしてサーティーズTS15でレースに参戦した体験をフィードバックしています。そして、藤田直広の手によって、JAFグランプリに参加する予定でした。

「マーチを追い越せ 日本のコンストラクターとそのFJ-1300マシン」は、ナショナルフォーミュラであるFJ-1300に挑戦する日本のコンストラクターの紹介です。
ベルコ98Aは、鈴木板金製のツインチューブモノコックで、1973年に初代FJ-1300チャンピオンに輝いています。
ノバ-01は、ノバエンジニアリング製で、スペースフレームにアルミ板を張ったセミモノコック構造で、1974年になって戦闘力を高めています。
鴻池スピードのKS-02、梅田初夫製作のウメダスペシャル、ハヤシ・カーショップのハヤシ708、小島エンジニアリングのKE-FJ1300、堀雄登吉のオートルックFJ1300、なども、打倒マーチに燃えています。

それ以外の読み物は、「実力伯仲、最後に笑うのは誰?」と題してFJ-1300の展望、「極限に挑む、魅惑のドラマ」と題して1974年の鈴鹿のレースレビュー、「エントリー39台、予選から死闘が・・・」と題してFL-500の展望、「勝利の栄冠をかちとるのは トップ4?」と題してツーリングチャンピオンの展望、「懐かしの第1回、2回日本GP」などがあります。

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