「’76日本グランプリレース」

1976年11月6、7日/鈴鹿サーキット
「日本グランプリ」のビッグタイトルが賭けられたF2000がメインイベントになります。日本からはベストに近い16人がエントリーし、ヨーロッパからも3人が参戦します。
予選は、星野一義が意地を見せて、ジャック・ラフィーを押さえています。

1. 星野一義(ノバ512BMW)1.56.3
2. ジャック・ラフィー(シェブロンB35BMW)1.56.8
3. 高原敬武(ノバ512BMW)1.58.2
4. 高橋国光(マーチ742BMW)1.58.2
5. 藤田直広(ノバ512BMW)1.58.3
6. 長谷見昌弘(マーチ742BMW)1.58.4
7. ニコ・ニコル(マーチ742BMW)1.59.2
8. 生沢徹(マーチ752BMW)2.00.2
9. 永松邦臣(マーチ752三菱)2.00.4
10. ハンス・スタック(マーチ762BMW)2.00.9
11. 鮒子田寛(マーチ752BMW)2.01.2
12. 北野元(マーチ752BMW)2.01.4
13. 高橋健二(マーチ742BMW)2.01.7
14. トニー・トリマー(マーチ742BMW)2.02.8
15. 松本恵二(マーチ752BMW)2.03.0
16. 米山二郎(サーティースTS15BDA)2.07.5
17. 津々見友彦(マーチ742BMW)2.10.1

結果は、ジャック・ラフィーとハンス・スタックが1-2フィニッシュを決めています。
サポートイベントのFJ1300は、1.星野一義(マーチ733日産)2.07.0、2.長谷見昌弘(マーチ753日産)2.07.8、3.片山義美(マルチFJ03無限)2.08.1、4.高武富久美(ノバ513無限)2.08.4、5.速見翔(マルチFJ03無限)2.08.9、6.杉崎直司(アルピーヌA364無限)2.09.0、がタイム的に抜けています。
FL500は、1.杉浦克彦(KS-07スズキ)2.19.9、2.金田政行(ベルコ97Cスズキ)2.20.2、3.畑川治(ハヤシ711スズキ)2.21.4、4.柿本由行(ウエスト769スズキ)2.22.0、5.中嶋悟(ルナ・ヌオーヴァTT1スズキ)2.22.2、6.鈴木恵一(ベルコ97Cスズキ)2.22.6、がトップ6です。
上位5台のシャシーがすべて異なるのがFL500らしいところですが、中嶋悟のルナ・ヌオーヴァTT1はノバの沢島メカニックのシャシーにムーンクラフトの由良拓也のボディという面白いマシンです。
TS-Iチャンピオンレースは、1.竹下憲一(スターレット)2.22.6、2.長坂尚樹(スターレット)2.22.9、3.高橋健二(サニー)2.24.6、4.三橋久善(サニー)2.24.9、5.和田孝夫(サニー)2.25.9、6.瀬川雅雄(サニー)2.25.3、が上位6台。スターレットは、DOHCエンジンになってサニーを凌駕しており、そのスターレットに長坂尚樹が初めて乗るのが興味深いところです。

読み物のトップは、「マーチVSシェブロンVS国産ノバ F2スーパースターの激突する’76日本GP」です。
ハンス・スタックは、マーチの契約ドライバーで西ドイツBMWワークスに所属して同国では無敵で、ヨーロッパF2でも4戦3勝、F1でも4位に入賞しています。父親も有名なドライバーで、英才教育を受けています。今回の来日では、ワークスマシンのマーチ762BMWを引っさげての登場で、打倒ノバ512をめざします。
ジャック・ラフィーは、デビューは遅かったものの、1975年に32歳にしてフランスのマルティニF2でF2チャンピオンを獲得。1976年には、F1にステップアップし、リジェ・マトラF1でポールポジションを奪い2位になるなど、急成長を遂げています。今回は、ワークスのシェブロンB35での参戦になります。
トニー・トリマーは、7年前に26歳と遅咲きのレースデビューで、F3、F5000などを経て、あのマキF1の契約ドライバーになります。しかし、マキF1では、ノンタイトル戦の「スイスグランプリ」の13位が唯一の完走でした。今回は、マキF1と同じホットスタッフチームからマーチ742BMWでの参戦となります。
迎え撃つ日本勢は、ノバ512の星野一義、高原敬武、藤田直広が中心。日本ではマーチを凌駕しており、速さの星野、しぶとさの高原、粘りの藤田に期待が集まります。
生沢徹は、2リッタースポーツカーのGRDS74BMWしか所有していないため、柳田春人からマーチ752BMWをレンタルしての出場となり、鈴鹿も2年ぶりになります。
長谷見昌弘、高橋国光、永松邦臣、鮒子田寛といったベテラン勢、高橋健二、松本恵二、ニコ・ニコルといった若手にもチャンスがあります。

他の読み物は、「鈴鹿の見どころはここだ!」は観戦スポットの解説、「’76鈴鹿モータースポーツハイライト」は1年間のレース回顧、サポートカテゴリーの展望などもあります。
また、特別付録として「MOTOR SPORTS GUIDE 限りなくレースを楽しむためのミニ百科事典」が添えられています。「こうしてレースは始まった」、「車検~予選~決勝」、「ドライバーの安全装備」、「最高速280kmの実力–これがF2000だ」、「用語・解説」といった項目があります。

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