「’90インターナショナル鈴鹿1000kmレース」

1990年8月25、26日/鈴鹿サーキット
全日本スポーツプロトタイプカー選手権第4戦です。予選順位は、以下の通りです。

1. タカキュートヨタ90C-V(ジェフ・リース、ピエール・アンリ・ラファネル)1.49.674
2. ミノルタトヨタ90C-V(関谷正徳、小河等、鈴木恵一)1.49.987
3. カルソニックニッサンR90CP(星野一義、鈴木利男)1.50.663
4. YHPニッサンR90CP(長谷見昌弘、アンデルス・オロフソン)1.50.936
5. CABIN R90V(和田孝夫、中子修、マウリツィオ・サンドロ・サラ)1.52.063
6. デンソートヨタ90C-V(ローランド・ラッツエンバーガー、長坂尚樹)1.52.799
7. 日石トラストポルシェ(ジョージ・フーシェ、スティーブン・アンドスカー)1.53.471
8. フロムエーポルシェ962C(中谷明彦、フォルカー・バイドラー、羽根幸浩)1.53.688
9. タイサンSGalpha962C(スンタレー・ディケンズ、ウィル・ホイ)1.54.210
10. ポルシェ962C(ティフ・ニーデル、デレック・ベル、アンソニー・リード)1.54.515
11. ADVAN alpha962C(高橋国光、茂木和男)1.55.014
12. アートマツダ787(デビッド・ケネディ、寺田陽次朗、ピエール・デュドネ)1.55.983
13. チャージマツダ787(片山義美、従野孝司、太田哲也)1.56.155
14. 武富士ポルシェ(ボブ・ウォレック、ジョニー・ハーバート、リカルド・リデル)1.56.220
15. OMRON PORSCHE(バーン・シュパン、エジェ・エルグ、トーマス・マゼイラ)1.57.790
16. AOスパイス90C(コスタス・ロス、金石勝智、松田秀士)1.57.845
17. ALPHA CUBIC 90R(米山二郎、浅井順久、福山英夫)2.01.727
18. NWB757マツダ(藤井修二、白鳥哲次、水谷敬一)2.07.592

鈴鹿でも、予選は日本車の独壇場で、トヨタと日産が6位までを分け合っています。決勝は、カルソニックニッサンR90CPが勝ち、2位に171周の同一ラップでフロムエーポルシェ962Cが入り、3、4位がタカキュートヨタ90C-Vとミノルタトヨタ90C-Vです。

読み物のトップは、「SUZUKA 1000km RACE 長く熱いターニングポイント」。レースを簡単に占うとともに、全チーム、全ドライバーを写真入で簡単に紹介しています。
「まるかじり! SUZUKA1000km 初心者のための鈴鹿1000km入門」は、文字通りの内容で、鈴鹿1000kmの歴史も簡単に振り返っています。第1回は1966年6月に行われ、福沢幸雄、津々見友彦組のトヨタ2000GTで8時間2分13秒9かかっています。
それが、第18回の1989年12月では、高橋国光、スタンレー・ディケンズ組のポルシェ962Cが5時間56分56秒702で制しています。また、「THIS IS THE REAL SPORTCAR」では、グループCを徹底解剖しています。

「Paddock Talk」は、ドライバーや関係者がクループCについて語ります。
長谷見昌弘「富士では優勝できて、ただただうれしい。僕はね、『絶対』っていう自信があった。初めトヨタが逃げたでしょ、こっちは完璧な計算通りに走ってて、絶対勝てると思ってた」。
小河等「鈴鹿は、ル・マンと比べれば、水銀灯もあるし、走る時間も短いし、楽だし安全ですよね。僕としては、鈴鹿ぐらいの距離の方がいいかな」。
ジョージ・フーシェ「特に暑い時期の1000kmっていう距離は、ポルシェにとってかなり有利だと思う」。
ティフ・ニーデル「もう鈴鹿なんて何回も走っているから心配ないよ。そう、君たちがうーんとちっちゃな頃からね」。
片山義美「今年限りで引退しようと決めたのは、50歳でレース生活ももう30年だし、世界のレギュレーションの関係でロータリーももう難しいということでね。自分自身の大きな節目だと思ったんですよ。だから決めたんです」。
ローランド・ラッツェンバーガー「すべて今問題になっているのは熱のことだ。走っている最中の熱のね。だから、それさえうまくいけば、いいんだけどね」。
星野一義「何にもない。調子いいよ。うん、もちろん、優勝狙ってる。やるしかないよね。クールスーツは大丈夫だよ。じゃあね」。
ジョニー・ハーバート「鈴鹿でCカーに乗るのは初めてだけど、フォーミュラカーでもう走っているから別に気にはしてないよ」。
和田孝夫「いくら頑張ってもタイムで差をつけられちゃう。今年、クルマはワークス並みになったんだけど、足回りとか、ブレーキがカーボンじゃなかったりね。そういうところで、やっぱり、差がついちゃう」。
従野孝司「787の始めの開発目的っていうのは、ル・マンを念頭に置いてストレートでのスピードを上げようっていうことでリアのトレッドを狭くしたんですけど、ル・マンのコースが改修になって、当初、狙っていた方向はうまく出なかった。それで、今、リアだけ767のものを付け替えて使っています」。
織田一彦「あえてスパイスを選んだのは、2~3年先のことを考えて。つまり、カテゴリー1としてアドバンテージのある方を選んだわけです。スパイスは、他のクルマより150kg軽いですから、ぜひシングル入賞を狙いたいですね」。

「WSPC/JSPC TOPICS 生まれかわるWSPC」は、1982年からグループC規定で行われてきたスポーツカー選手権が1991年から新レギュレーションになることを解説しています。
当初は、自然吸気3.5L一本で開催する予定だったのですが、ターボ、ロータリーも車重を重くしての参戦が認められています。また、距離も、480kmから4時間に変更されています。

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