「’78鈴鹿ルビートロフィー自動車レース」

1978年7月1、2日/鈴鹿サーキット
全5戦で争われる「鈴鹿F2チャンピオンシリーズ」の第3戦です。同シリーズは、1978年から国際格式となり、外国人ドライバーがエントリーしやすくなりました。第3戦では、マルク・ズラーとミシェル・ルクレールがエントリーしています。
F2チャンピオンレースは、16台がエントリーし、15台が予選を通過。第2戦のノバ、シェブロン、マーチ、KE、マルティニに加え、ラルト、カウーゼンがエントリー、予選も激戦となっていますが、暖かくなって予選タイムは落ちています。

1. 星野一義(ノバ532BMW)1.58.06
2. マルク・ズラー(マーチ782BMW)1.58.19
3. 中嶋悟(マルティニMK22ルノー)1.58.40
4. 高橋健二(マーチ742改BMW)1.58.19
5. 松本恵二(シェブロンB40BMW)1.58.77
6. 藤田直広(シェブロンB40BMW)1.59.13
7. ミシェル・ルクレール(ラルトRT-1BMW)1.59.33
8. 長谷見昌弘(シェブロンB42BMW)1.59.76
9. 高橋国光(KE008BMW)2.00.35
10. 桑島正美(シェブロンB40BMW)2.00.45
11. 瀬川雅雄(マーチ742BMW)2.00.47
12. ニコ・ニコル(カウーゼン2Jルノー)2.10.26
13. 佐々木秀六(マーチ742BMW)2.02.25
14. リチャード・トーマス・ゲック(マーチ752BMW)2.05.29
15. 三橋久善(マーチ762BMW)2.06.36

サポートイベントのFL-500は、1.杉浦克彦(KS-07Bスズキ)2.19.66、2.飯田武(RSファルコン77Aスズキ)2.21.44、3.中本憲吾(ハヤシ712スズキ)222.36、がトップ3。
同じくサポートイベントのサルーンカーチャンピオンレースは、1.前野祥二(サニー)2.53.32、2.中野常治(サニー)2.53.44、3.永川鉉植(サニー)2.54.27、がトップ3。

読み物のトップは、「ヨーロッパの旋風マーチ782日本初出場 “どう迎え撃つ”国産マシン勢」です。
マルク・ズラーは、26歳のスイス人で、クレイ・レガツォーニの再来として期待されています。1978年は、マーチのNo.2ドライバーとしてマーチ782を駆り、ヨーロッパF2選手権シリーズ2位につけています。
ミシェル・ルクレールは、31歳のフランス人ドライバー。1975年にF2初優勝を飾り、1976年にはF1を6回も経験して、エルフ2JでF2選手権に参戦しています。ただ、1977年のF2参戦は1回きりで、今回のマシンも初めて乗るラルトと万全の体制とは言えません。
星野一義は、6月18日ルーアン(フランス)、6月25日ドニントン(イギリス)と本場のF2選手権に参戦、ノバ532でいい走りを見せています。凱旋レースとなる地元戦なら、ズラーやルクレールにも負けられません。
中嶋悟は、7月からヨーロッパF3選手権に参戦します。ただ、星野一義がヨーロッパにマシンを置いてきたため、中嶋悟のマシンが星野に回され、中嶋はルノーをレンタルしての出場になるハンデがあります。
長谷見昌弘は最新マシンのシェブロンB42、高橋国光は改良が施されたKE008での参戦で、星野を脅かす存在となりそうです。
高橋健二、松本恵二といった成長株、藤田直広、ニコ・ニコルらにも期待が集まります。ニコルは、元F1コパスカーチームのチーフメカニックだった伊藤義敦が帯同してマシンを調整しています。

「実力伯仲! 大波乱! 激戦のT、FLレース」は、飯田武と浅井順久を2強とし、清水省一、中野常治、高橋淳らも有力としています。Tは、TSよりも市販車に近いマシンで競われるもので、新人ドライバーの登竜門となります。
「高橋国光の超ハイレベル鈴鹿攻略法」は、パートごとの走り方の解説。高橋国光は、KE008に関して、「小島エンジニアリングのF1開発のノウハウを生かしたマシンだけに、すばらしい操縦性を持っていますネ。マーチやシェブロンより優れているし、ボク自身の乗り方にも合っていると思います」と語っています。
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