「1989 全日本富士500マイルレース大会」

1989年7月22、23日/富士スピードウェイ
全日本スポーツプロトタイプカー選手権第3戦、富士ロングディスタンスシリーズ第3戦です。予選順位は、以下の通りです。

1. YHPニッサンR89C(長谷見昌弘、アンデルス・オロフソン)1.24.870
2. ティノラストヨタ89C-V(ローランド・ラッツェンバーガー、鈴木恵一)1.19.143
3. カルソニックニッサンR89C(星野一義、鈴木利男)1.19.256
4. ミノルタ トヨタ89C-V(ジェフ・リース、ロス・チーバー)1.19.276
5. 日石トラストポルシェ(ジョージ・フーシェ、スティーブン・アンドスカー)1.19.869
6. ALPAHCUBIC 962C(戸谷千代三、長坂尚樹)1.20.051
7. CABIN R89V NISSAN(和田孝夫、森本晃生)1.20.259
8. レイトンハウスポルシェ962(関谷正徳、岡田秀樹)1.20.311
9. OMRON PORSCHE(バーン・シュパン、エジェ・エルグ、松本恵二)1.20.333
10. フロムエー・ポルシェ962C(ハラルド・グロース、中谷明彦)1.20.382
11. ALPHA BRUN 962C(オスカー・ララウリ、マウリツィオ・サンドロ・サラ)1.20.758
12. ADVAN ALPHA 962C(高橋国光、スタンレー・ディケンズ)1.20.996
13. デンソートヨタ89C-V(小河等、パオロ・バリラ)1.21.586
14. チャージ・マツダ767B(片山義美、寺田陽次朗、従野孝司)1.21.829
15. BA-TSU alpha 962C(茂木和男、高橋健二)1.23.053
16. BRITISHBARN 89R(米山二郎、福山英夫)1.25.496
17. NWB757マツダ(白鳥哲次、藤井修二、鈴木政作)1.29.187

結果は、レイトンハウスポルシェ962Cが優勝しています。

読み物のトップは、「真夏の4時間30分、汗と電卓の勝負」です。ワークス体制で世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)に参戦しているトヨタ、日産、マツダにとっては、「ル・マン24時間レース」、「ハマラ480kmレース」を終えての日本復帰第1戦となります。ポルシェの日本での実績は41戦32勝と圧倒的で、打倒ポルシェが日本勢の目標になります。
日産は、ニューマシンのニッサンR89C/VRH35が国内デビュー。トヨタは、トヨタ89C-Vにデンソーカラーが加わります。マツダは、完走率の高いマツダ767B。予選は日本勢、決勝はポルシェ勢、という図式が浮かび上がります。
「日産のニュー・ウエポン NISSAN R89C」は、同車の透視イラストで、メカニズムを解説しています。エンジンは日産の中央研究所が設計・開発を担当、シャシーをマーチに代わってローラ・カーズが担当しています。エンジンは、V8 3.5L+ターボで最高出力800馬力を絞り出します。

「TEAMS 真夏の耐久をかく闘う。」は、各チームと、その監督の紹介です。
ニッサンモータースポーツは、臼井秀幸が監督。シャシー・エンジニアで、ホシノ・レーシング+ニスモ+カルソニックという絶妙のコンビネーションを敷きます。YHPも同様の車両です。
トヨタチームトムスは、鮒子田寛が監督。元トヨタワークスのレーシングドライバーです。チーム名は、昨年から、チーム・トムスからTTT(トヨタ・チーム・トムス)に改められています。ティノラス・サード・レーシングチームも、トヨタワークスがサポートしています。
マツダスピードは、大原俊彰が監督。技術部課長です。マツダは、耐久の歴史が長く、グループCでも、717から高度なものへと進化し、エンジンも2ローターから4ローターへと変貌しています。ドライバーも、片山義美、従野孝司ら耐久マイスターがそろっています。
フロムエー・レーシングは、森脇基恭が監督。ノバ・エンジニアリングの専務です。ポルシェのメンテナンスぶりを評価され、「東洋のポルシェワークス」とも称されます。
オムロンレーシングチームは、バーン・シュパンが監督兼ドライバー。昨年のワークスマシンを使います。
レイトンハウスレーシングチームは、高原敬武が監督。「高原時代」を築いた名ドライバーです。クレマーレーシングとのジョイントになります。

「THE REVIEW FUJI LONG DISTANCE SERIES 24 HEURES DU MANS」は、過去2戦の富士ロングディスタンスシリーズと「ル・マン24時間レース」を簡単に振り返ります。
ル・マンでは、トヨタが予選2日目にジェフ・リースがTカーで3分15秒51というトップタイムを叩き出しますが、Tカーのため、公式タイムとしては扱われたものの、予選タイムとしては認められませんでした。
日本人ドライバーで最速タイムを出したのは、マツダの従野孝司で、3分25秒45。178選手中22番目というものでした。
結果は、メルセデスが1、2、5位。マツダが7、9、12位で、トヨタと日産は全車がリタイアとなりました。

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