「’95 INTERNATIONAL F3000 FUJI FINAL」

1995年10月14日、15日/富士スピードウェイ
1995年全日本F3000選手権第8戦です。予選は、以下の通りです。

1. 24 服部尚貴(レイナード95D 無限 BS)1.15.611
2. 27 影山正彦(レイナード95D 無限 BS)1.15.703
3. 1 マルコ・アピチェラ(レイナード95D ジャッド YH)1.15.738
4. 19 星野一義(ローラT95-50 無限 BS)1.15.875
5. 64 高木虎之介(レイナード95D 無限 BS)1.15.895
6. 25 山本勝巳(レイナード95D 無限 BS)1.15.929
7. 15 鈴木利男(ローラT94-50 無限 BS)1.16.166
8. アンドリュー・ギルバート・スコット(ローラT93-50 無限 BS)1.16.342
9. 9 マウロ・マルティニ(ローラT95-50 無限 BS)1.16.387
10. 3 金石勝智(ローラT94-50 ジャッド BS)1.16.488
11. 11 トム・クリステンセン(ローラT94-50 無限 BS)1.16.579
12. 5 ジェフ・クロスノフ(ローラT94-50 ジャッド YH)1.16.798
13. 65 黒澤琢弥(レイナード94D 無限 BS)1.16.831
14. 30 岡田秀樹(ローラT93-50 DFV YH)1.16.909
15. 8 中野信治(童夢F104 無限 BS)1.16.989
16 6 光貞秀俊(ローラT93-50 DFV YH)1.17.011
17. 10 飯田章(ローラT95-50 無限 BS)1.17.240
18. 7 影山正美(ローラT95-50 無限 YH)1.17.518
19. 28 近藤真彦(レイナード94D 無限 BS)1.18.255
20. 21 ミハエル・クルム(ローラT-93-50 無限 BS)1.18.476
21. 33 清水正智(ローラT93-50 無限 YH)1.18.916
22. 12 樋口統也(ローラT94-50 無限 BS)1.20.587

結果は、高木虎之介が星野一義を破り、3勝目を挙げています。星野一義が2秒差の2位で、3位に15秒遅れて鈴木利男が続きます。

読み物は、「F3000 Preview 新時代へのカウントダウン」です。1995年は、全日本F3から影山正美、中野信治、高木虎之介がステップアップ、ドイツF3で活躍した山本勝巳、ツーリングカーから飯田章が挑戦しています。
第5戦のSUGOでは、高木虎之介が初優勝、2位に山本勝巳、3位に中野信治、とルーキーが表彰台を独占しました。高木虎之介は、20ポイントでシリーズランキング3位につけます。
獲得ポイントでは、トム・クリステンセンが27ポイントで首位に立ち、鈴木利男が22ポイントでそれを追います。なお、この読み物に続き、ドライバー紹介もあります。

「Interview with KAZUYOSHI HOSHINO」は、星野一義へのインタビューです。「今年は、心機一転、新型を使ってみようと決心し、ローラT95に乗っている。結果は非常にいい。ただ、ミッションだけは、シーケンシャルではなく、H型を使っている」と心境の変化を語ります。
「金子というパートナーに恵まれていなかったら、家1軒建てただけでドライバー生活を終わっていたかもしれない。僕はサーキットで走ることに専念し、金子は営業面一切を仕切ってくれた。世界中探しても、これほどのパートナーは見つからないだろう」。「家のことはまかせっきりでレースに打ち込んでこられたのも女房のお陰」と周囲への感謝を口にします。

「Interview with TORANOSUKE TAKAGI」は、高木虎之介へのインタビューです。寅年にちなみ虎之介と名づけられましたが、「おじいちゃんのつけてくれた名前だし、人にすぐ覚えてもらえるので気に入っている」と言います。
「よく人から、速いドライバーの技術を盗め、と言われるが、盗んでもその人以上にはならない。それに自分で工夫し、研究を積み重ねてこそ、その人を追い越せる。これからの課題としては、集中力の発揮、マシンの状態に合わせた走り、そして、タイヤや燃料の軽重の切り替えを取得して、巧くコントロールできるドライバーをめざす」と言い切ります。
「将来、海外に羽ばたこうとする人は、日本人の技量と比較して満足していてはダメ。目標はあくまで外国人ドライバー。僕も、カート時代同期だったジャンカルロ・フィジケラ、ヤン・マグヌッセンをライバルにしている。彼らも、近い将来、必ずF1に上がってくる器だ」と語ります。

「F3000 それぞれの戦い」は、シャシー、タイヤ、ドライバー&チーム、エンジンの戦いを振り返ります。レイナード95Dは、94Dを正統進化させ、空力面やサスペンション、微妙なシフトストロークの変更など、細部まで煮詰められています。また、サスペンションは、日本のハイグリップタイヤに対処するため、徹底して見直されています。
ローラT95は、吊り下げノーズとサイドディフレクターを標準装備し、空力面に主眼を置きましたが、主要チームが実戦投入を見送ったこともあり、まだ未勝利です。アンドリュー・ギルバート・スコットは、T93にMCSカウルをかぶせ、トップレベルの強さを発揮しています。
タイヤは、ダンロップが阪神大震災の影響でレース活動を休止し、ブリヂストンとヨコハマの2メーカーになっています。ブリヂストンが全勝ですが、ヨコハマも善戦しています。

「そのレースは、やがて、世界チャンピオンを送り出す。」は、1996年からスタートするフォーミュラ・ニッポンについて、今宮純と中嶋悟に話を聞いています。
中嶋悟は、「フォーミュラ・ニッポンの話が出てきたっていうのは、つまり、僕らはF1行ったりしてそのシステムを分かって、その上で日本全体で世界に向けて戦いを挑むってことなんだ。そこで、そのレースは、世界に羽ばたくドライバーの育成っていう意味を持つわけ」とその意義を語ります。
今宮純は、「そろそろ、時代性を含めて、日本でもアジアを意識した構造としてのフォーミュラ・ニッポンというものを考えるべきだとも思うんですよ。誰もが楽しめ、誰にでも分かる、そんな日本の文化に溶け込んだレースイベントに育て上げられたらと思います」と言います。

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