1972年9月16、17日/鈴鹿サーキット
「全日本鈴鹿自動車レース大会」は、鈴鹿で継続的に続けられているシリーズで、やはり、全日本Iクラスと全日本IIクラスによって競われます。例によって、プログラムとしては質素で、読み物はあまりありません。
全日本Iクラスは、1300ccまでのスポーツカー(GT及びGTSを含む)及び特殊ツーリングカー(Tを含む)の混合レースで、ホンダS-800、カローラ・クーペ、パブリカ、サニー、サニークーペなどが参戦しています。注目選手としては、辻本征一郎を挙げておきましょう。ご存知のとおり、日産レーシングスクールの校長を努めたり、テレビの解説をしたりしている人です。
全日本IIクラスは、1300cc以上のスポーツカー(GT及びGTSを含む)及び特殊ツーリングカー(Tを含む)の混合レースで、フェアレディ240ZとサバンナRX-3の一騎打ちになっています。フェアレディは、西野弘美、増田万三、大塚光博、サバンナは、従野孝司、伊谷謙治などが有力どころです。
サポートイベントしては、G、S、DSが行われています。Gは「出場選手の横顔」として6人が紹介されており、むしろメインイベント扱いされています。
エントリーは、田中弘(シェブロンB19)、高原敬武(ローラT280)、ピーター・G・ベラミ(ポルシェ906K)、永松邦臣(ロンソン=ローラT280)、漆原徳光(ローラコルト)、鮒子田寛(シェブロンB21P)、木倉義文(ローラT290)、武藤憲ニ(ロータス47GT)、藤田典生(KEシャラコ)、津久見友彦(葉野SPL7)の9台で、高原敬武のローラT280だけが3000ccと他車を1000ccも上回っています。
注目ドライバーとしては、漆原徳光と津久見友彦を挙げておきましょう。漆原徳光は、この後も富士GCレースなどで活躍したドライバーで、メガネをかけたその穏やかな風貌と冷静なレース運びから”ドクター漆原”の異名が付いています。
津久見友彦も、日本のレース史において長く活躍したドライバーで、さまざまなカテゴリーに参戦しています。
Sは、ハヤシ対ベルコにワールドが絡むといった様相で、力身修、水谷敬一、林将一、高武富久美、道上佐堵史、高田忠政、中野雅晴、種兼秀樹、新井鐘哲、片山義美などが参戦しています。
DSでは、大注目のドライバーがひとり、参戦しています。それは、長坂尚樹です。おそらく、”日本一のサニー使い”と呼べる人で、後には耐久レースを中心に大活躍することになります。
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