「NIPPON SHINPAN NICOS CUP Rd.5 FUJI FINAL」

1992年10月17、18日/富士スピードウェイ
’92全日本フォーミュラ3000選手権シリーズ第10戦です。予選は、以下の通りです。

1. 11 エディー・アーヴァイン(ローラT92-50 無限 DL)1.15.755R
2. 98 服部尚貴(ローラT92-50 無限 BS)1.15.755R
3. 3 黒澤琢弥(ローラT92-50 DFV BS)1.15.777R
4. 90 マルコ・アピチェラ(童夢 F103 無限 DL)1.15.836R
5. 77 鈴木利男(ローラT92-50 DFV BS)1.15.880R
6. 25 ロス・チーヴァー(レイナード92D 無限 BS)1.15.886R
7. 9 マウロ・マルティニ(ローラT92-50 無限 BS)1.15.925R
8. 20 アンドリュー・ギルバート・スコット(ローラT92-50 無限 BS)1.16.185R
9. 21 ローランド・ラッツェンバーガー(ローラT92-50 無限 BS)1.16.261
10. 8 松本恵二(童夢 F103 無限 DL)1.16.544
11. 10 ハインツ・ハラルド・フレンツェン(ローラT92-50 無限 BS)1.16.592
12. 99 中谷明彦(レイナード92D 無限 BS)1.16.755
13. 28 パウロ・カーカッシ(レイナード92D 無限 DL)1.16.808
14. 19 星野一義(ローラT92-50 DFV BS)1.16.925
15. 61 トーマス・ダニエルソン(ローラT92-50 DFV DL)1.16.955
16. 16 関谷正徳(レイナード92D JUDD BS)1.16.963
17. 5 ジェフ・クロスノフ(ローラT92-50 無限 DL)1.17.074
18. 7 高橋国光(ローラT92-50 無限 YH)1.17.168
19. 37 ミカ・サロ(レイナード92D 無限 YH)1.17.318
20. 62 田中実(ローラT92-50 DFV DL)1.17.348
21. 17 古谷直広(ローラT92-50 無限 YH)1.17.472
22. 12 中野信治(レイナード92D 無限 BS)1.17.562
23. 27 舘善泰(ローラT92-50 無限 DL)1.17.644
24. 26 和田孝夫(レイナード92 無限 BS)1.17.653
25. 6 和田久(ローラT92-50 無限 DL)1.17.657
26. 36 福山英朗(ローラT92-50 無限 DL)1.18.448

結果は、鈴木利男が逆転優勝、2秒差で黒澤琢弥が続いています。

読み物は、「全日本フォーミュラ3000選手権第10戦」。8人にチャンピオンのチャンスがあるF3000を展望しています。ロス・チーヴァーは、日本を去ることを明言しており、日本のスポンサー付きでのF1参戦の手土産にしようとしています。
また、各種記録にもふれています。
ドライバーの優勝回数は、星野一義17回、ロス・チーヴァー6回、鈴木亜久亜5回、フォルカー・ヴァイドラー4回。
シャシーの優勝回数は、ローラ36回、レイナード9回、マーチ8回、童夢1回。
エンジンの優勝回数は、無限39回、ホンダ6回、コスワース・ヤマハ6回、フォード・コスワース3回。
タイヤの優勝回数は、ブリヂストン40回、ダンロップ11回、ヨコハマ3回。
インタビューは、鈴木利男と和田孝夫です。

鈴木利男は、インタビューで、NISMOの水野和敏監督に感謝の言葉を述べています。「沈みがちな僕を励ましてくれたり、明るく話しかけて気分転換をさせてくれた。プレッシャーを取り払えたのは、水野さんのお陰といっていい」。
また、「水野さんは、『レーシングカーの基本はスポーツプロトタイプもフォーミュラも変わりはない。Cカーで学んだものをF3000にも投入してみよう』といって足回りを中心に見てもらうようになった。
マシンのバランスも良くなり、長く悩んだオーバーステアも出なくなって、非常に走りが良くなった。それが、第6戦(菅生)、第7戦(富士)の2位、第8戦(富士)の優勝につながった」とも答えています。
水野和敏は鈴木利男に関して、「鈴木利男くんは、先天的ではないが、考えながら走るタイプだ。最近、セッティング、メカニズムの点でも考えが一致するようになってきた。そして、技術屋の作ったマシンに応じた乗り方もできるようになった。これは大きな進歩だと思う」と述べています。

和田孝夫は、「ラルトRT24はひどかった。基本的に乗りにくかったし、まっすぐ走ってくれなかった。レイナード92Dは、ラルトに比べるとマシン自体もコンパクトにできているし、弱アンダーは残っているものの、これからもセッティングを煮詰めていけば、良くなるマシンだと思っている」とマシンチェンジについて回答。
続いて、タイヤチェンジについても答えています。「ブリヂストンのQタイヤの使い方が難しい。まず、Qタイヤを上手に使い切ること。そして、本番用では限界をつかんで、性能をもっと引き出すようにしたいと思っている」。
メガネについては、「あらゆる面で、裸眼で走れる人と比べたら大きなマイナス面ばかり。特に、雨が降った時など。コンタクトは、ゴミが付いたら困るので、1度使ったきり。僕に裸眼で走れる視力があったらと、いつも思っています」とメガネのウィークポイントを痛切しています。

「ドライバーのナイショのハナシ」では、アンドリュー・ギルバート・スコットは、イギリスでは大きな城のような邸宅に住んでいますが、日本では八王子のワンルームマンションです。「結婚してしばられるのは嫌」と独身を通しているそうです。
和田久は、父が営林署の仕事をやっていた関係で、岐阜県郡上郡白鳥町野添で生まれます。小学4年で引越しするまで、野添の山奥で過ごします。ただ、今となっては、墓参で年1回、訪れるだけだそうです。

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