「DEAD RISING RELEASE PARTY」

「DEAD RISING RELEASE PARTY」が2006年9月29日23時から翌30日5時にかけて、東京・六本木のCLUB COREで行われました。
同パーティは、「デッドライジング」の発売を記念し、主催・カプコン、協力・マイクロソフト、企画・制作・C2Cエンターテインメント、制作協力・R.M.N.Production、という体制の下で行われるものです。
同パーティは、B1フロアではDJのみのパーティスタイル、B1ラウンジでは「Xbox 360」を設置して「デッドライジング」の試遊、B2フロアではライブ、と六本木のクラブらしい構成で行われています。
ちなみに、DJとライブの出演者は、以下のようになっています。
DJは、IZU(Complete Finesse)、YOK(HECTIC)、EZ(TILT)、KEI(SDB Staggerlee)、KEN THE NIK(MADFOOT!)、E.D.A.(BAL)、Wailing Rude Boy(世田谷DOWN BEAT)。
ライブは、KIALA、36ALL-STAR、YOKE、FOCIS、WELTER。
私は、よくは分からないのですが、知る人ぞ知る存在なのでしょうか。

同パーティは、開始時こそプレス関係者やミュージシャンが多かったのですが、時間が経つに連れて六本木らしい客構成になり、DJのB1フロアとライブのB2フロアも賑わってきました。
B1ラウンジの試遊台も、約10台が用意されていたにも関わらず、常に人が試遊台に張り付いているという賑わいでした。
試遊台もライフMAXのライフ12に近いライフ9のセーブデータが用意されており、「デッドライジング」が初プレイの人でもそれなりに進めるようになっており、時間制限がないことも手伝って、誰しもが楽しんでプレイしているようでした。
ただ、場所柄と時間帯もあってか、純然たるゲーム好きという人はあまり見かけられませんでした。
同パーティは、ひたすらDJとライブと試遊台だけといった状態で進行し、司会進行もなければ、カプコン側によるデモプレイもなければ、特別なイベントもないといった状態で朝まで進められました。
「デッドライジング」のリリースパーティならではのイベントが見たいと考えていた人にとっては、長居がしづらい雰囲気もあったのは確かです。たばこの煙と大音量も、人によっては耐えられないものもあることでしょう。

そこで、カプコンの春木豊プロデューサーに、今回のイベントの意図について伺ってみました。「CLUB COREの店長が「Xbox 360」のファンであるという話を伝え聞きました。
『デッドライジング』の発売記念パーティをやりたいと考えていたのですが、それを聞いた時に『デッドライジング』というゲームとクラブが合うのではないかと思ったんです。それで、話を進めていき、実現に至ったというわけです。
東京ゲームショウとはまた違った、クラブならではの客層にも『デッドライジング』をアピールできればと思っています」とのことです。
確かに、同パーティは、CLUB COREという六本木のほぼ中心にあるクラブで開催されており、客層も前述したような状況で、その意図の通りになっていたように思います。

同パーティでカプコンの春木豊プロデューサーにお話を伺うことができました。そこで、今回は、そのインタビューをお届けします。
まず、「デッドライジング」の開発趣旨についてですが、同プロデューサーによると、「これまでのゲーム機では数多くのゾンビを画面に表示することができませんでしたが、「Xbox 360」ではそれが可能になっています。
ゾンビは、単体では遅くて弱いため、あまり怖さがありません。しかし、数が増えて集団で襲ってくると怖い存在になります。それを表現したかったというのがあります」とのことです。
確かに、これまでのゾンビゲームでは、ここまでのゾンビの大群を相手にすることはなく、使える武器の数や種類を制限することで、プレイヤーの恐怖感を煽っていた部分もあります。
それが本作では、ゾンビが大勢で襲ってくる恐怖感がある一方で、武器は使い放題とあって、既存のゾンビゲームの枠を超えた作品になっていることが実感できます。

また、本作の特徴とも言えるのが、巨大なショッピングモールが舞台になっている点です。「広い空間を用意し、自由度の高いプレイスタイルを実現させたかったのです。作り手からこう進めなさいと決め付けるのではなく、やりたいことを自由にやってくださいということです。
本作では、何度もプレイしてもらうことを前提にしていますので、1度、ゲームをクリアしても、レベルはそのまま持ち越すことができますし、何度もやっているうちにゲームの進め方も分かってきます。前回はこの人は助けられなかったけれど、今回はこうやって助けようとかね」。
私も、本作は何度もプレイし、今回はパニッシャーの実績解除をめざそう、今回はハーレムの実績解除をめざそう、といった具合に、各回ごとにテーマを絞り込んでプレイしていました。
その過程で、レベルが上がって強くもなりますし、誰を救出するかといったコツもつかめてきます。まさに、私自身も、カプコン側が狙っていたプレイスタイルを採っていたというわけです。

本作では、各地域ごとの表現の違いが、特に日本のプレイヤーの間で話題になっています。その点についても伺ってみました。
「表現に関しては、アメリカ・アジア、ヨーロッパ、日本、と、各地域ごとのレーティング基準に照らして作っています。そして、レーティングの内容は、各国や地域によって異なっていますので、表現できることが違ってきます。
従って、表現に違いがあるのは確かですが、ゲームとしての中身に違いはなく、日本版でも『デッドライジング』の醍醐味を味わって頂けるはずです」とのことです。
そして、もし、もっと過激な表現をした場合には、日本で「デッドライジング」は発売できなかっただろうとも言います。
カプコンは、「バイオハザード」シリーズを開発するとともに、「グランド・セフト・オート」シリーズや「TRUE CRIME STREETS OF LA」の発売元でもあります。
そのカプコンだからこそ、日本のレーティング基準に合わせつつも、ゲームの面白さを損ねないような表現が可能だったのかもしれません。

北米版では、文字のサイズが小さく読みづらいという声が少なくはありませんでした。そして、日本版では、文字のサイズが大きくなったという声も聞かれます。そのあたりについても伺ってみました。
「「Xbox 360」はご存知の通り、HDテレビに対応しており、HDテレビで見てこそ、最高のグラフィックが実現できます。
本作も、HDテレビで見た時に最高のグラフィックが得られるように調整されています。これ以上、文字を大きくすると、HDテレビでは大きくなりすぎます。そこで、この文字サイズに落ち着いたというわけです」。
「Xbox 360」を最適の環境でプレイするためには、5.1chだけでなく、早急にHDテレビも導入する必要がありそうですね。

「∞ MODE」は、私は実績解除の項目である「5デイ・サバイバー」や「7デイ・サバイバー」を通り越して9日間も生存したのですが、それはもう大変でした。
現実の2時間が1日に相当するため、「7デイ・サバイバー」の実績を解除するためには最低でも14時間はプレイしなければならないからです。ところが、「∞ MODE」では、セーブは一切することができず、休憩するためにはポーズをかけるしかありません。
私も、「∞ MODE」挑戦中は、「Xbox 360」の電源を落とすことはできず、寝る時や食事をする時はポーズをかけておいたのです。
同プロデューサーからは、「『∞ MODE』では、放っておいても主人公の体力が自然に減っていきます。途中でセーブできないのは、ゲームの体力が減るのが早いのか、自分の体力が減るのが早いのか、そこのところに挑戦してほしいという意図があったからです」と予想通りの回答を頂きました。
「∞ MODE」は、実際には、プレイヤーのみならず、「Xbox 360」本体もベストの状態で臨まなければならないというわけです。
私も、「∞ MODE」のウォークスルーを記していますが、同プロデューサーからも、「最初は生存者から食料を奪い、夜は絶対に出歩かないでください」というアドバイスを頂きました。
「∞ MODE」に関する2つの実績解除は、「デッドライジング」プレイヤーの勲章でもあります。みなさんも、ぜひ挑戦してください。

最後に、気になる続編についてですが、本作は、北米では既に50万本を超えるセールスを記録しており、全世界の売り上げとなると、かなりの数に上ると考えられます。
「セールス的にも大成功です」とのことなので、次回作が出る可能性は十分にあるとは思います。ただ、1作目にして、これだけの自由度と完成度の高さを誇るゲームを作ってしまった以上、2作目にかかる重圧も相当のものであることが予想されます。
また、「デッドライジング」開発チームの心労も相当なものであったことは想像に難くなく、しばらくは充電期間も必要なことでしょう。まずは、「デッドライジング」を楽しみ尽くしてから、続編に関するアナウンスを待つことにしましょう。


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