【GENRE】
スポーツ/アイスホッケー
【PUB./DEV.】
SEGA/TREYARCH
【RELEASE DATE】
2002/11/19(アメリカ)
【OUTLINE】
“SEGA SPORTS”のアイスホッケー「NHL 2K」シリーズの2002年度版です。
NHLのチーム、選手、スタジアムがすべて実名で登場するリアル系のアイスホッケーゲームで、本作からスポーツ中継でお馴染みのESPNと提携して「NationalHockey Night」の中継スタイル、カメラアングル、実況中継をそっくりそのまま再現しています。
XboxLIVEにも対応し、実質的なローンチタイトルとしてリリースされてもいます。
【GAME MODE】
Quick Game
すぐにNHLの試合を行うことができます。
Game Modes
本作のメインとなるモードで、以下の5つのモードがあります。
Exhibition
NHL、オールスター、国際試合の中から選んで試合を行うことができます。国際試合を選ぶと、リンクがNHLよりも大きくなり、2ラインパスなどのルールも異なります。
Season
5つのモード中でも、まさに本作のメインとなるモードでしょう。NHLの中から1チームを選んでシーズンを戦い、プレイオフ、そして、スタンレーカップをめざします。このモードでは、シーズンの途中で選手をトレードしたり、より細かい作戦を指示することもできます。
Playoffs
シーズンをスキップして、いきなりプレイオフから始めるモードです。
Franchise
自分でチームをマネージメントして戦うモードです。資金繰りをして、新人選手やフリーエージェントの雇用なども行います。
Tournament
トーナメントで、複数による対戦も行えるモードです。
Rosters/Lines
チームの状況を見たり、チームの作戦を変更したり、フリーエージェントの選手を雇ったりできます。
Sega Sports Challenge
このモードをクリアすると現れるコードで、SEGASPORTSのオフィシャルサイトで他のプレイヤーとスコアを競うことができるモードです。
Load/Save
ゲームデータのロード/セーブが行えます。
Options
各種設定を詳細に変更することができます。
GENERALは、難易度(4段階)、ゲームスピード、1ピリオドの時間、ペナルティの確率、ファイティングの確率、けがの有無、オフサイドの有無、アイシングのルール、2ラインパスのルール、が決められます。
ADVANCEDは、ホームとアウェイの戦略とラインチェンジのオートとマニュアル、レフェリーのコリジョン(衝突)度合い、リンクのサイズ、オーバータイム(延長戦)の長さ、ゲーム中の時間の尺度、時計の進み方、が決められます。
CONTROLSは、キーコンフィグ、ゴールキーパーのオートとマニュアル、パスの精度、ショットの精度、パックを掴むかどうか、選手のロックタイプ、フェイスオフ時のスタートポジション、パックのプロテクション、バイブレーションの有無、が決められます。
GAMEPLAYは、けがの発生度合い、ゴールキーパー、ディフェンス、オフェンスのスキルレベル、スピードと疲労の状態、ヒッティングパワーが、決められます。
よほどのアイスホッケー通でもない限り、読んでもよく分からないものもあると思います。実際にプレイしてみて、しっくりこないと感じたところをいじってみればいいでしょう。これらの設定は、シーズン中であっても、いつでも変更できますから。
Network
Xbox LIVEで対戦するためのモードです。8人まで対戦することができますが、8台の「Xbox」で対戦できるのではなく、1台の「Xbox」に最大4人まで接続して2台の「Xbox」で最大8人までのオンライン対戦ができるというこです。
Credits
クレジットが見られます。
【GRAPHICS】8
セガもこの手のゲームを作り慣れており、スポーツもの、NHLものとしては水準レベルのグラフィックを作り上げています。リンクや選手の動き、観客席の雰囲気なども、そつなくできています。
ESPNと提携して「NationalHockey Night」の中継スタイル、カメラアングルをそっくりそのまま再現していると言っても、ゲームに支障をきたすようなものではありません。
プレイ中断時に挿入されるムービーなどが、ESPNスタイルになっているということでしょう。ただ、こうしたムービー時の選手の顔が少しのっぺりとしており、もうちょっとくっきりした顔にしてほしかったところです。
また、得点時のリプレイが1アングルしかないのも残念なところで、せっかくのゴールシーンをもっと多彩なアングルから見たかったものです。
【SOUND】9
ドルビーデジタルです。こちらも手慣れたアイスホッケーゲームということで、エッジが氷を掻く音、スティックがパックを叩く音、パックがフェンスに跳ね返る音、パックがゴールのバーを叩く金属音、場内の喚声、場内放送、などは、しっかりと再現されています。
また、ESPNの実況中継も、アナウンサーの実況、解説者のコメントなどが、プレイに合わせて適切なタイミングでアナウンスされています。
誰がパックを取った、パスをミスった、スラップショットした、バックハンドショットした、など、聴いていても心地良いアナウンスです。
サウンド面に関しては、申し分ないデキだと言えるでしょう。
【CONTROL】7
操作性は、エレクトロニックアーツの「NHL2000」シリーズと比べても、煩雑なプレイをしなければ本来の楽しさが得られないゲームだと言えるでしょう。
基本的には、パックを持ったプレイヤーを自動的に操作できるようになっており、左スティックで移動、Bボタンでスピードアップ、Aボタンでショートパス、Yボタンでロングパス、Xボタンでシュート、両トリガーでパックの保持、が主な操作です。
また、パックを持っていない際には、Aボタンで近くの別のプレイヤーに切り替え、左スティックで移動、Bボタンでチェック、Xボタンでポークチェックとフック、Yボタンでブロックとダイブ、左トリガーでパックの掴み、が主な操作です。
ゴールキーパーは、セミオートにするのがお勧めで、その際には、守備自体はオートでやってくれ、パックを保持してから、左スティックで移動、Bボタンでパックを離し、Aボタンでパス、が主な操作です。
実は、これらの操作はごくごく基本的なことで、取扱説明書の3分の1以上の18ページも割いて、細かな操作が記されているのです。
オフェンスとディフェンスの際には、方向パッドの上下左右だけでなく、これらに右トリガーも加えた操作が存在し、ラインコントロールやアグレッシブさを指示します。
また、ゴールキーパーも、マニュアル操作時には、多数の操作を行うことができます。これには、アイスホッケー好きの私も辟易するほどで、エレクトロニックアーツの「NHL2000」シリーズのシンプルさが恋しくなるほどです。
本作は、自分がプレイしていないキャラクターの動きは決して芳しいとは言えず、アタッキングゾーンでパックが流れた際の処理などには度々イライラさせられたものです。
ですから、本作を遊び尽くすには、これらの操作をそれなりにやらないといけないということでしょう。キャラクターを操作するスポーツゲームとしては、ここまでの細かさは不要だと思います。
なお、難易度をAmateurにしておけば、基本操作だけでも、それなりには勝てることでしょう。
【GAMEPLAY】6
本作の最大のウリは、なんといってもXbox LIVEに対応したことです。アイスホッケーゲーム初のXbox LIVE対応タイトルなのですから、喜ばしいことです。
しかし、最大8人対戦という謳い文句には、いささか問題があります。前述しているように、3台以上の「Xbox」を使っての対戦には対応していないのですから。
これ目当てで買った人の失望感は大きいことでしょう。実際、私もそのひとりで、しばらくはプレイする気をなくしました。
プレイする気をなくしたもうひとつの理由は、前述した操作性の問題にもあります。エレクトロニックアーツのプレイステーション「NHL2001」が快適な操作性を実現させていただけに、余計にこの操作性は気になりました。
セガがアメリカでエレクトロニックアーツのスポーツタイトルに惨敗している原因も、すべてのスポーツものをプレイしたわけではありませんが、このあたりの過剰なこだわりにあるのではないかと思います。
【LONGEVITY】 9
スポーツものの常として、フルシーズン戦ったら、自然とプレイ時間は長くなります。
「GameModes」の「Season」だけをプレイしても、相当の時間、プレイすることができます。それ以外のモードやXboxLIVEもやるとしたら、軽く100時間を超えることでしょう。
ただ、それだけの時間、飽きずに遊べるかどうかが問題です。また、これまでに指摘してきたような問題点を乗り越えられるかどうかも考える必要があります。
まぁ、ここでは「season」はしっかりとやるという前提で、「9」ということにしておきましょう。
【OVERALL】7
アイスホッケーはとても面白いスポーツなのですが、残念ながら日本人にはなじみの薄いスポーツになっています。
私も、日本アイスホッケーリーグやアジアリーグは大好きで、そのためもあってスカイパーフェクTV!に加入しているほどですが、NHLにはあまり興味がありません。
私の場合、日本アイスホッケーリーグのゲームがないから、仕方なくNHLのゲームをやっているという側面があります。
ましてや、アイスホッケーに興味がない人にとっては、買おうという気も起こらないゲームだことでしょう。
しかも、本作には前述しているような問題点があり、ますます手を出しづらいタイトルになっています。
本作のレビュー時点で既に「ESPNNHL HOCKEY」(2003年度版)も発売されていますから、本作には最新データやLIVEにこだわらない人が安く買える「Xbox」のアイスホッケーゲームといった価値しかありません。スポーツゲームは新鮮なうちにレビューしておくべきでした。
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