【GENRE】
アクション/ステルス/サードパーソン
【PUB./DEV.】
Ubi Soft ENTERTAINMENT/Ubi Soft ENTERTAINMENT
【RELEASE DATE】
2002/11/17(アメリカ)
【OUTLINE】
「RAINBOW SIX」シリーズでおなじみ、トム・クランシー監修のステルスアクションゲームです。
本作は、「RAINBOW SIX」や「GHOST RECON」などの分隊ベースの戦闘アクションとは異なり、キャラクターはサム・フィッシャーひとりだけの3人称視点のアクションゲームとなっています。
2003年、アメリカ合衆国は国家安全保障上の潜在的な脅威にさらされており、国家安全保障局(NSA)はそれに対処すべく、技術の粋を集めた秘密組織「サード・エシュロン」を設立します。
「サード・エシュロン」 は、”スプリンターセル”と呼ばれるトップエージェントたちで構成されています。
2004年3月10日、CIAから、元ソ連のグルジア共和国に潜伏中のエージェント・アリソン・マディソンからの連絡が途絶えたとの連絡が入ります。
また、彼を探すためにグルジア共和国の首都トビリシに向かったブロウシュタインも、7日後に消息を絶ちます。そこで熟練したスプリンターセルの一員・サム・フィッシャーに状況確認の任務が下ります。
プレイヤーはサム・フィッシャーとなって、ステルスアクションを基本とした10の諜報活動に挑むのです。
【GAME MODE】
START GAME
新しくゲームを始めたり、セーブされたゲームから再開することができます。セーブデータは、3つまで作れます。セーブは、ゲームの区切りで用意されているチェックポイントで行えます。
また、いったんクリアしたレベルであれば、自由にプレイすることもできます。10のレベルは以下のようになっています。
1: TRAINING
CIAの訓練施設で基本的な操作を覚えます。ここでしっかり練習しましょう。
2: POLICE STATION
ブロウシュタイン捜索が目的で、実質的に最初のレベルとあってそんなに難しくはありません。
3: DEFENSE MINISTRY
グルジア大統領ニコラスの秘密を探るために副官グリンコの運転手を探し、ニコラスのコンピューターにもアクセスします。レーザーマイクもポイントです。
4: OIL REFINERY
石油パイプラインに忍び込み、外国人技師マッセのブリーフケースを奪うのが目的です。他のレベルに比べると、短く簡単なレベルです。
5: CIA HQ
CIA内部の内通者の情報を得るため、CIA内部に潜入します。このレベルは誰も殺すことができませんし、難易度も前半最高となっています。
特に、最終チェックポイントからエンディングまでが厳しく、私はここだけで5時間ぐらいかけています。そこで、ここに関しては攻略法を書いてみます。
ここでは、内通者のドハティーをかついでトラックで待つ仲間のところへと運びます。私は、最後までドハティーをかついだまましゃがんで下まで降りました。
まず、隙を見て部屋を抜け出してゆっくりと階段を降り、階段と反対側の隅で待ちます。下のガードの後を追い、梯子から半分はみ出すぐらいの位置で戻ってくるガードをやり過ごします。
ガードが通りすぎたら、端の階段めざして早足で進み、そちらからやってくるガードを見極めながら暗がりで待ちます。
1番階段に近い暗がりで待ち、ガードが下側の階段の中央に差しかかったら、早足で階段を駆け下り、階段を降りきったらUターンして階段横の暗がりで待ちます。
ガードが昇り始めたら、早足でトラック方向をめざし、トラックが見える暗がりにドハティーを置きます。梯子上のガードの動きに注意しつつ、トラックの仲間と会話するガードをGrabbingして暗がりへと戻り気絶させます。
再び、ドハティーをかつぎ、梯子上のガードの動きに注意しつつ、トラックの仲間のところへと移動します。タイミングさえ合えば、スマートなやり方だと思います。
6: KALINATEK
カリナテックにいるイランがロシアンマフィアに殺される前に、彼から暗号解読のためのキーを入手します。地雷の解除が新たに登場します。
7: CHINESE EMBASSY
ニコラス大統領と中国との間の関係の証拠を見つけ出すのが目的になります。ここでも誰も殺すことができず、レーザーマイクも重要になります。
8: ABATTOIR
食肉処理場の屋根にあるアンテナを破壊し、捕われの中国人とアメリカ兵を救出し、最後にグリンコを殺します。厩舎の入口に持っているだけの地雷を仕掛けて敵兵の数を減らし、残党が途切れたら入口付近でグリンコを倒します。グリンコ戦は楽勝です。
9: CHINESE EMBASSY
中国情報部のフェイロン将軍が単独でニコライ大統領に協力している証拠を発見し、核兵器がニコライ大統領の手に渡るのを防ぎます。ここも中国大使館ですが、敵を殺しても構わないので、状況に応じて発砲します。
10: PRESIDENTIAL PALECE
ニコライ大統領と”the ark”と呼ばれる武器を探し出し、ニコライ大統領を暗殺するのが目的です。「トゥームレイダー」ばりのアクションで始まりますが、少しアクションも要求されるレベルです。難易度はほどほどです。
11: KOLA CELL
ニコライ大統領のコンピューターコードを探り出し、プログラマーのフィリップ・マッセを殺害するのが目的です。セーブポイントは2ヵ所、メディカルキットは1つ、と、短いレベルで難易度もほどほどです。
このレベルはダウンロードコンテンツですが、「Official Xbox Magazine 9月号」の「XBOX GAME DISC」でプレイできます。
SETTINGS
ゲームの各種設定を変更することができます。キャラクターの音声が少し小さいので、他の音量(特に音楽)を絞るようにするといいでしょう。
EXTRA FEATURES
ゲームをクリアすると、見ることができるようになります。「BEHIND THE SCENES」、「RANDOM FACTS」、「UBI SOFT XBOXGAMES」の3項目があり、製作者のインタビューなどを楽しめます。
CREDITS
クレジットを見ることができます。
DOWNLOAD LEVELS
新しいレベルをXboxLIVEからダウンロードできるのですが、2003年4月現在、クレジットカードの請求先が「日本」になっている場合はダウンロードできません。現在は、レベル11の「KOLA CELL」だけが用意されており、上記の方法でプレイできます。
【GRAPHICS】10
ステルスアクションゲームということで、ライティングにはかつてないほどのこだわりを見せています。
自然光はもちろんのこと、月明かり、街灯からの灯り、室内照明、広告のネオンサイン、木漏れ日など、あらゆる明かりがあるのですが、そのいずれもがステルスアクションにとっては敵になります。
サムの姿が明かりで見えるのはもちろんのこと、サムの影が地上に映し出されても、敵はサムを発見して攻撃したり、警報を鳴らしたりするからです。しかし、サムはたいていの室内照明を破壊することができます。
サムの姿が暗がりにあり、地上に影も映っていなければ、間近に迫った敵もサムに気がつくことはありません。これが本作の醍醐味のひとつでもあります。
破壊した照明とまだ点灯したままの照明による明るさの対比も素晴らしく、「Xbox」のグラフィックエンジンの能力の高さを実感することができます。
また、建物の文様や調度にも、こだわりが見られるのはいうまでもないことでしょう。サムのさまざまな動きに伴うグラフィックも美しいのですが、次の動作への間がもう少し短ければなお良かったと思います。
【SOUND】9
ドルビーデジタルです。サウンドも、ステルスアクションゲームにとっては重要なファクターです。サムの動き方によって、敵に聞こえる足音の音量が異なってくるからです。
跳ぶ、走るといった動作の足音が大きいのはもちろんのこと、歩く→ゆっくり歩く→しゃがんで歩く→しゃがんでゆっくり歩く、といった順で足音が異なります。
そのため、明るさ、足音、敵との距離、敵の向き、などを注意しながら行動する必要があり、ステルスアクションならではの緊迫感を味わうことができるのです。
もちろん、敵の足音や話し声なども、ステルスアクションの重要な判断材料になります。BGMも、サムが置かれている状況に合わせて変化していくため、音楽が落ち着けばサムが安全な状況に戻ったということも分かります。
残念なのは会話の音量が小さめなことで、「SETTINGS」で調節する必要があるでしょう。私の場合、音声は100のままで、音楽は25、それ以外は80に絞りました。
【CONTROL】8
自分が暗がりにいるかどうかを確認したり、さまざまなアクションを駆使したりする必要があるため、必然的に完全な3人称視点となっています。アクションの種類は豊富です。
歩く、走る、しゃがむ、しゃがんで歩く、昇る、降りる、といった基本的な動作から、パイプをよじ登る、ロープにぶらさがって進む、縁にぶら下がって進む、敵を羽交い締めにする、といったやや高度な動作、ローリングする、二段ジャンプをする、ぶら下がりながら撃つ、敵を利用する、スプリットジャンプする、といった高度な動作まで、ステルスアクションならではの動きがあれこれと用意されています。
そのほとんどが簡単な操作で行えますが、タイミング的にはやや難しいものもあります。サムを眺める視点は360度近く選べるのですが、欲を言えばサムからの距離も自在になればもっと良かったでしょう。
メニュー画面やアイテム・武器選びの際に必ずポーズがかかるのは誉められる点です。
【GAMEPLAY】8
ステルスアクションならではの豊富なファクターが含まれているのと、トム・クランシー作品ならではのアイテムへのこだわりが本作の特徴です。
まず、グラフィックやサウンドの項目でも挙げているような光と影と音へのこだわりが半端ではありません。
そして、これらの要素を考慮しながら進んでいくための進み方に幅があるのも本作のいいところです。進むルートは基本的には1本道ですが、細かい点では複数のルートを選べる場合もあります。
敵にしても、やりすごす、羽交い締めにして気絶させる、殺す、などさまざまな選択肢があります。そして、敵をおびき寄せるために落ちている空き缶を拾って投げることもあるのです。
ステルスアクションのためのアイテムも、ロックピック、ディスポーザルピック、カメラジャマー、ゴーグル(ナイトビジョン、サーマルビジョン)などがあり、その使い分けが楽しくもあります。
ただ、ゲームのセーブがチェックポイント制なのと、セーブデータが3つしか作れない点は、古臭いアクションゲームをひきずっているようで好ましいものではありません。
チェックポイント制の採用により、ひとつのチェックポイントを何十回もやり直す羽目に陥ってしまい、ゲームを途中で放棄することにもつながるからです。
また、セーブデータが3つしか作れないため、少ないライフのセーブデータばかりを作って先に進めなくなってしまい、結局は1からやり直さなければならない場合も出てきます。このふたつは、大きな減点材料です。
【LONGEVITY】9
上で述べているように、ゲームのセーブがチェックポイント制であるため、かなり時間がかかるゲームになっています。
フリーセーブ制であればうまくできたところでセーブできるため無駄な作業を繰り返さずに済むのですが、チェックポイント制を採用しているために次のチェックポイントまでに失敗すればまたチェックポイントからやり直す必要が出てくるからです。
私は、ひとつのチェックポイントで最高5時間ぐらいかかっていますが、これ以外でも2時間ぐらいやり直したチェックポイントも数多くあります。
私は、本作をクリアするまでに何十時間もかかっていますが、これがフリーセーブ制だったら半分ぐらいの時間で終わったことでしょう。
何をすればいいのか分からない、アクションやタイミングが難しい、といったことが珍しくないタイトルだけに、多くの人がクリアまでに相当な時間をかけることでしょう。
【OVERALL】10
本作は、アメリカやヨーロッパでは極めて高い評価を受け、「Xbox」タイトル中でも「HALO」に匹敵するセールスを記録しています。そんな質の高いタイトルが日本ですぐに発売されないのは残念なことです。
日本で発売したとして10万本売れるという保証はありませんが、「Xbox」というハードの価値を高めることは間違いありません。マイクロソフトがUbiソフトから日本国内の発売権を買い取ってでも発売すべきでしょう。
本作は、アクションやそのタイミングが難しい、何をしていいか分からない、といったことが珍しくはないため、なかなか先に進めないというケースが少なからず出てきます。
セーブもチェックポイント制でセーブデータは3つしか作れません。そのため、途中で投げ出したくなることも何度かはあると思います。それでも、「Xbox」ユーザーならプレイする価値は十分にあるタイトルです。
コメント