「’70全日本鈴鹿300キロレース大会」

1970年1月17、18日/鈴鹿サーキット
「全日本鈴鹿300キロレース」は、日本最初の長距離耐久レースとして、1965年に鈴鹿サーキットで開催されています。1970年は、1月16、17の両日が開催日となっており、現在ではビッグレースとしては考えられない真冬の開催となっています。
鈴鹿と言えば鈴鹿峠があり、関西方面から国道1号線で訪れるには、雪が心配なところではあるのですが・・・。
さて、「全日本鈴鹿300キロレース」は、I部門とII部門の2クラスに分けて開催されています。
9時30分スタートのI部門は、1300ccまでのスポーツカー(GT及びGTSを含む)及びツーリングカー(TSを含む)及びRの混合レースで、ホンダS-800、トヨタカローラ、パブリカ、サニー、モーリスミニクーパーS、ダイハツF40、マクランサ、カーマンアパッチなどが参戦しています。
注目選手としては、加藤真(TARCD1100)が挙げられます。後にシグマオートモーティブを立ち上げて「ル・マン24時間レース」に挑戦し、現在は全日本GT選手権のTOYOTA TEAM SARDの代表者ともなっている人だからです。
TARCD1100というのがどういうクルマなのはか記憶にないのですが、R-IクラスにTMSCからエントリーしているということを考えると、カローラにR-Iクラスなりの改造を施した車両であろうと想像できます。
TMSCからは、蟹江光正、見崎清志、佐藤文康といった一世を風靡したドライバーも参戦しています。

14時スタートのII部門は、1300cc以上のスポーツカー(GT及びGTSを含む)及びツーリングカー(TSを含む)及びRの混合レースで、フェアレディー、スカイライン2000GTR、ブルーバードSSS、コロナ・マークIIGSS、トヨタ1600GT、ロータリークーペ、ベレットGTなどが参戦しています。
また、なぜかS-IIクラスでフォードGT40とポルシェカレラ6がエントリーしています。フォードGT40は、日本で伝説のドライバーとして五指に挙げてもいいほどの名ドライバー・田中健二郎がドライブしています。
R-IIクラスはバラエティに富んでおり、ポルシェ910、ポルシェ908、ベレットR6、トータス昭次郎、トヨタ2000GT、BBX、フェアレディーZ、コロナ1900Rが参戦しています。今となっては、想像もつかない車名も含まれていますが、当時のレースはプライベーターが改造して参戦する余地があったということでしょう。
注目選手としては、風戸裕(ポルシェ910)が挙げられます。風戸裕は、日本人で唯一CAN-AMシリーズにレギュラー参戦したドライバーで、1971年にローラT222でマクラーレンやローラ、シャドウなどを相手に大活躍しています。
また、後にはヨーロッパF2選手権にも参戦し、シェブロンのワークス入りが決定していましたが、1974年6月2日の富士GCレースでの大事故により、帰らぬ人となっています。
他では、浅岡重輝、米村太刀夫の名前が挙げられます。両者は、いすゞのワークスドライバーで、モータースポーツに積極的に参戦していたいすゞを引っ張る名ドライバーでした。今は乗用車から撤退してしまったいすゞですが、当時の活力が偲ばれるところです。
読み物としては、「NRC鈴鹿300キロレースを振り返って」という、過去5年間のレースの紹介記事が載っています。5年間の歴史がかいつまんで見られる記事内容となっています。

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