「コンピュータ競馬ゲーム 馬之介」レビュー

「コンピュータ競馬ゲーム 馬之介」は、トミーから1984年に発売された本格派の競馬ゲームです。
携帯ゲーム機のような手帳サイズのゲーム機で液晶画面を見ながら、様々なデータを活用して1、2着馬を予想して馬券を購入したり実際に予想したりすることができます。
ゲームモードは3種類(G1、G2、G3)。G1は本格的な競馬ゲームを楽しむモード、G2は自分で距離・馬場状態・出走馬を選んで予想するモード、G3は実際の競馬データを入力して予想するモード。
出走馬は16頭おり、G1ではその中からランダムで8頭が選ばれ、G2ではその中から任意の8頭を選びます。
16頭は、それぞれに性齢、脚質、距離適性、馬場の巧拙があり、レース前に調教の状態と最近の成績も見られます。16頭は以下の通りです。ちなみに、今見たら名前が10文字の馬がいますが外国馬でしょうか。

1 オモババプリンス 牡6 先行 中距離 不良
2 グレートエスケープ 牝4 逃げ 短距離 稍重
3 トンズラタロー 牡5 逃げ 長距離 稍重
4 カイセイキング 牡5 逃げ 中距離 良
5 スピードレイニー 牝5 先行 短距離 不良
6 センコートーシン 牡6 先行 短距離 不良
7 アローファイター 牡4 先行 長距離 稍重
8 サニースプリンター 牝4 逃げ 短距離 良
9 ミステリークィーン 牝5 自在 短距離 稍重
10 ロイヤルマジック 牡6 自在 中距離 稍重
11 ダーティーファイター 牡6 追込 中距離 稍重
12 メガロムサシ 牡4 差し 長距離 稍重
13 サシノセイコー 牡5 差し 中距離 稍重
14 カンサスキッド 牡4 差し 短距離 良
15 シービーチェイサー 牝5 追込 中距離 稍重
16 スロースターター 牡6 追込 長距離 稍重

G1は、1人または2人(プレイヤーA、プレイヤーb)で遊ぶことができます。
持ち点50000点を元に、連勝複式で馬券を購入し、10レース後のスコアを競います。
馬券は1枚1000点で15枚まで購入することができ、1レースにつき2人で5枚までの購入が可能です。
SETキーを押してレースを始めたら、距離と馬場状態が表示され、1頭ずつ順に枠入りしていきます。
手帳上側には16頭の距離適性と馬場適性が表示されており、それを参考にそのレースに適した馬を見定めます。
また、調教キーを押せば調教の状態が成績キーを押せば最近の成績が、予想キーを押せばコンピューター予想が、バーグラフにより見られます。
オッズキーを押せば、セットキーを押すごとに1-2、1-3、1-4・・・の順にオッズが表示されます。
馬券キーを押せば、馬券を購入することができ、数字キーとセットキーを交互に押すことにより、連勝複式と購入金額を決めることができます。
馬券の購入が完了するか、馬券を購入する意思がない場合は、GATE INキーを押せば出走馬のゲートインが始まり、ファンファーレとともにレースがスタートします。
出走馬の通過順位は200m単位で右から左に■■で表示され、先頭が200mを走り終えると後続馬は■で表示され、先頭は右から■■で現れます。
最後の600mになると合図音とともに各馬がベースアップし、最後の200mでラストスパハートからゴールへとなだれ込みます。
ゴール後に着順が表示され、左下に払い戻し倍率が表示されます。的中させたプレイヤーがいた場合にはファンファーレで的中を知らせます。また、その時点での持ち点も表示されます。
これを10レースまで繰り返します。

G2は、基本的な仕様はG1と同じですが、レースごとに距離・天候・出走馬を自由に選ぶことができます。
G3は、実際のレースのデータを入力することによりコンピューターに予想させることができます。
ただし、8頭までしかデータを入力することができないため、有力馬8頭など任意の8頭を選びます。出走馬が8頭に満たない場合には、足りない分は架空データを入力します。
距離・天候を入力したら、出走馬の脚質(逃げ、先行、自在、差し、追込み)、調教状態(9段階)、過去の成績(9段階)、馬場適性(9段階)、距離適性(9段階)、騎手の実力と馬との相性(9段階)、自分のひらめき指数(9段階)を順に入力していきます。
すべて終了したら、コンピューターの予想を見て、模擬レースを行います。

このように、競馬好きでも楽しむことができる本格的な競馬ゲームに仕上がっており、ポータブルサイズであることから、旅行に持っていったり、ちょっとした空き時間に手軽に楽しんだりできることが魅力です。
電池寿命も、音を出さない場合には約2.5ヵ月(約2000時間)と長く、バッテリーの消耗を気にすることなく楽しめるのも利点です。
ただし、なぜか電源スイッチがなく、しばらくプレイしないならボタン電池(LR44を2個)を外しておかなければならないのが面倒なところです。
また、メモリー機能がなく、いったん電池を外してしまったらハイスコアはリセットされてしまいます。ハイスコア自体はそれほど重要でもありませんが、あればあったでより楽しめたでしょう。
もっとも、ゲーム全体としては、距離適性・馬場適性・脚質・調教・成績といった要素を加味して予想する必要があるため、競馬好きならかなり楽しめるのはもちろんのこと、それほど競馬に詳しくなくても楽しめるのがいいところです。
レース画面も馬が■■で表示されるものの、脚質が反映されているため、意外とエキサイティングになっています。
このような手帳サイズの携帯型本格的競馬ゲームが1984年に発売されたということが素晴らしいことだと思います。
これと似たようなものが現在の技術で作られたら、絵はもう少しリアルなものになり、頭数は実際のフルゲートまで可能で、実際の競走馬データがダウンロードで取得できるのかもしれません。
もっとも、そうなると専用のゲーム機として発売するのではなく、ゲームソフトとしての発売になりそうです。やはり、1984年だからこそ実現できたゲームだと言えるのかもしれません。

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