【GENRE】
アクションアドベンチャー/サードパーソン
【PUB./DEV.】
VIVENDI UNIVERSAL GAMES/BLACK LABEL GAMES/WXP
【RELEASE DATE】
2002/9/26(アメリカ)
【OUTLINE】
J.R.R.トールキンの名作ファンタジー小説「指輪物語」のシリーズ第1作「旅の仲間」をベースに作られたアクションアドベンチャーゲームです。
ストーリーは、「旅の仲間」をほぼ忠実にたどっています。「ひとつの指輪は、すべてを統べ、すべてを探し、すべてを捕まえ、すべてを暗闇に閉じ込める」。
ホビットのフロドはふとしたことからそんな指輪の持ち主となりますが、その指輪の創作者である冥王サウロンは指輪を取り戻そうとします。
灰色の魔法使いガンダルフはサウロンのそうした企みを懸念して、フロドに指輪を溶却することを勧めます。
しかし、それができるのは、冥王サウロンが住むモルドールの火山オロドルインの火口だけなのです。
かくして、ガンダルフを中心に旅の仲間9人が集結、モルドールへの険しい旅が始まります。
本作では、旅の仲間9人のうち、ホビットのフロド、人間のアラゴルン、灰色の魔法使いガンダルフの3人を、シーンごとの強制交代によりプレイできます。
【GAME MODE】
Start New Game
新規にゲームを始められます。ゲームの流れと、操作するキャラクターは、以下の通りです。
The Shire(フロド)
ダークライダーに見つからないようにしながら、フロドが住む町であれこれとお使いをこなします。
The Old Forest(フロド)
迷路のような森の中で、メリー、ピピン、サムを探します。道端のきのこを壊していくのがポイントです。
Barrow-Downs(フロド)
小高い草原で、迷子のホビットを探します。
Bree(フロド、アラゴルン)
宿屋にチェックインして、ブリー村でメリーのためにさまざまなアイテムを探します。
Weathertop(アラゴルン)
ウェザートップの頂上に到達し、ナズガルからフロドを守ります。
Troll Shaws(アラゴルン)
ホビットのために、行程の安全を確保します。
Rivendell(フロド)
戦闘、探索はなく、会話する場所です。
Hollin Gate(ガンダルフ、アラゴルン)
湖の近くにあるモリアのゲートを探します。
Mines of Moria(ガンダルフ、フロド)
21ホールもあるモリアで、安全な道のりを進みます。光を操作するパズルもあります。
Lothlorien(フロド)
戦闘、探索はなく、会話する場所です。
Anduin(アラゴルン)
川辺の敵を殲滅します。
Amon Hen(アルゴルン、フロド)
サムを助け出し、ナズガルを倒します。
Continue Saved Game
任意のセーブゲームから始められます。セーブデータは、近くに敵がいない限り、いつでもいくらでも作れます。また、新たな土地に進むとオートセーブされます。必ず、複数のセーブデータを作っておきましょう。
Game Options
コントローラーやサウンドなどのゲーム内の設定を変更できます。
Credits
クレジットが見られます。
【GRAPHICS】7
全編、「指輪物語」らしいファンタジックなグラフィックの中でゲームは進んでいきます。
「Xbox」ならではのアドバンテージといったものはありませんが、森、洞窟、池、川、町、村、室内、キャラクター、エネミーなども雰囲気たっぷりに描かれています。
随所で、ネズミやリス、昆虫などが行き交っているのも、物語に息吹を吹き込む要因となっています。
しかしながら、迷路状の道が多くて特徴がつかみづらいにも関わらず、マップがないのはいただけません。せめて、通過した道だけはマップが表示されるようにすべきだったのではないでしょうか。
【SOUND】8
ドルビーデジタルです。シーンごとの効果音、BGMは、ファンタジックなゲームの雰囲気によく合っています。これから戦闘とか、敵が近づいてきた、といった際に音楽が変わるのもいい演出です。
イベントシーンばかりでなく、シーンの変わり目ごとにその場にいる全キャラクターとしゃべれるのも「旅の仲間」ならではの楽しみです。
【CONTROL】9
操作性は良好で、キャラクターを意のままに操ることができます。歩く、走る、しがみつく、登る、押す、戦う、武器やアイテムを変更し使う、といった操作もストレスなく行えます。
基本は3人称視点で、立ち止まっている時のみ1人称視点で見回したり戦ったりすることができます。
また、走りながらでも、キャラクターを見る角度を変更することができるため、敵から逃げて距離を置くときなどに重宝します。
左スティックを押し込めばすぐにキャラクターの背後に回り込んでくれるのも嬉しい配慮です。
落ちている武器やアイテムは光っていますし、その上を通過するだけで拾ってくれます。
【GAMEPLAY】8
「旅の仲間」ではあるのですが、プレイ中はほとんど1人で行動することになり、仲間たちを必要に応じて切り替えて操作するといったことはありません。
もっとも、フロド、アラゴルン、ランドルフの3者は何度も操作することになりますし、それぞれのキャラクターに特徴があるため、新鮮な気持ちでプレイできます。
フロドは、攻撃力が弱く、敵を避けて通ることが多いのですが、物を押したり、よじ登ったりはできます。お使い、迷路、パズルが楽しめるキャラクターです。戦闘に関しても、石は無限に持っているため、攻撃される危険のない敵ならコツコツと石をぶつけて気長に倒すことも可能です。
アラゴルンは、剣や矢による攻撃を得意としていますが、物を押したり、よじ登ったりはできません。ボスキャラ戦を担当するなど、戦闘を楽しめるキャラクターです。
ランドルフは、バラエティに富んだ魔法が使えますし、直接攻撃もそれなりの威力があります。また、物を押すこともでき、パズル面で楽しめます。
【LONGEVITY】7
序盤のフロドのお使い、迷路、パズル、中盤のランドルフの迷路、パズルには、かなりてこずらされます。特に迷路は、マップがないことがそれを助長しています。
戦闘も、フロドは避けることが多いものの一切戦わないで済ますわけにはいきませんし、アラゴルンとランドルフの場合には不可避な戦闘も少なからず存在します。
ゲーム自体のボリュームも決して薄っぺらではありませんし、「指輪物語」が持つ世界観の中で多様な楽しみ方ができることでしょう。
【OVERALL】8
アメリカの各サイトでは、ポイントが7点未満でプレイ時間も10時間程度と書かれていたため、当初はそのデキやプレイ時間を危惧していました。
しかしながら、それは杞憂に終わっています。ゲーム自体、十分に楽しめましたし、プレイ時間も名目で17時間ぐらいになっていたからです。
この名目時間には、当然、ゲームオーバーしてやり直した分は含まれませんから、実質的には20時間ぐらいは楽しめたことでしょう。
あのお使いと迷路とパズルにかかる時間を考えれば、超人的な記憶力と発想力の持ち主であるか、攻略本を見ながらのプレイでもない限り、10時間でプレイを終えるのは不可能です。
「指輪物語」が好きな人、ファンタジックな世界観が好きな人、女性ユーザーなら、プレイしても外したとは思わないことでしょう。
なお、エレクトロニック・アーツから発売される「THE LORD OF THE RINGS: TWO TOWERS」は映画をベースにしたもので、原作をベースにした本作とは趣が異なります。
原作ベースの本作の第2部をぜひプレイしたいものです。やはり、映画の「スターウォーズ」などと同様、第1作ならではの次回作に期待を抱かせる終わり方になっていますから。
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