有機ELテレビ「LG OLED48C3PJA」(4K/120Hz/ALLM/VRR)レビュー

有機ELテレビ「LG OLED48C3PJA」を2025年9月29日から使い始めて2カ月以上が経過したのでレビューします。
私は、テレビはテレビ用テレビとゲーム用テレビの2台を並べて置いており、前者はテレビなどの映像視聴中心、後者はテレビゲーム中心、と使い分けて約20年になります。
2007年1月からは、テレビ用テレビが三菱の29インチブラウン管テレビ、ゲーム用テレビがハーフHDプラズマテレビ「パナソニックW37P-H8000」。
2014年1月からは、ブラウン管テレビが小さいと感じ始めたことから、テレビ用テレビをフルHD液晶テレビ「シャープ LED AQUOS LC-40V8」に買い替え。
2017年5月からは、テレビゲームの4Kに対応するため、テレビゲーム用テレビを4K液晶テレビ「SAMSUNG 49MU7000」に買い替え。以来、2025年9月まではこの状態が続いていました。
しかし、朝日が当たるようにテレビの後ろに置いていた鉢植えを動かす際に、受け皿の水をうっかり「シャープ LED AQUOS LC-40V8」の中にこぼしたようで、画面中央に幅10cmほどの白い帯ができてしまいました。
これが端ならまだ良かったのですが、画面中央だと見づらくて仕方ありません。そこで、買い替えを中心に検討しました。

買い替えるまでのつなぎとして、とりあえず置いてあるプラズマテレビ「パナソニックW37P-H8000」を使おうかと思ったのですが、プラズマテレビは電気代が高く発熱もするため、在宅時にはつけっぱなしのテレビ用テレビとしては適しません。
そこで、少しでも早く買い替えることにしたのですが、以下の3プランで悩みました。
Cプランは、コストコで販売されているフルHD液晶テレビ「TCL 40S5402」をテレビ用テレビに置き換えること。当時の価格が2万9800円で、クルマでも持ち帰れるサイズだし、スマートテレビになる分、つなぎとしては悪くありません。
Bプランは、Joshin Webで販売されている4K液晶テレビ「ハイセンス 50E6N」をテレビ用テレビに置き換えること。当時の価格が5万5773円で、4Kの50インチで画質もサイズもそれよりもはるかに上がります。
Cプランは、LGの有機ELテレビをゲーム用テレビとして購入し、「SAMSUNG 49MU7000」をテレビ用テレビにすること。
「SAMSUNG 49MU7000」はアメリカのテレビだけに日本のテレビは見られないのですが、私はテレビはモニターとしてしか使っておらず、テレビもケーブルテレビのセットトップボックスとブルーレイレコーダーをAVアンプ経由で見ているので問題ありません。

この3プランでどうするか悩んだのですが、テレビを買い替えるなんて10年に1回程度のことで、次の買い替えが何年先になるのか分かりません。
コストコ川崎に行くたびに入口のテレビコーナーで有機ELテレビを眺めて「いいなぁ、やっぱり有機ELテレビは違うなぁ」と何年もあこがれ続けていたこともあり、価格的にはAプラン、Bプラン、Cプランと倍々ゲームになるものの、有機ELテレビを買うことに決めました。
有機ELテレビもあれこれとありますが、日本製の有機ELテレビもパネル自体はLG製ですし、LGはテレビゲームとの融和性も抜群で価格競争力も圧倒的です。
コストコ川崎でLGの有機ELテレビと各社の液晶テレビが並んでいるのを見比べても、画面の美麗さの違いは圧巻です。
LGの有機ELテレビが48インチか55インチなら10万円ちょっとで買えることを考えると、同等サイズの液晶テレビに払えるのはBプランで挙げた「ハイセンス 50E6N」の5万5773円程度が限界です。
そんなわけで、問答無用で長年、LGの有機ELテレビが狙いで、サイズ的には48インチ、大きくても55インチでした。

LGの有機ELテレビは、大別して3グレードあり、型番で言うと「48」、「55」といったインチサイズの後ろにある「B」、「C」、「G」で表されます。
「B」はスタンダードでエントリーモデル、「C」はハイグレードで高コストパフォーマンスモデル、「G」はフラッグシップで最高峰モデル、になります。
また、グレードの違いを表す「B」、「C」、「G」の後ろにある「3」、「4」、「5」などの数字が年式の違いを表し、数字が大きくなるほど新しいモデルということになります。
ちなみに、末尾の「EJA」と「PJA」は、販売チャンネルや特定の付属品の違いを表しており、画質差はありません。
難しいのは、グレードと年式でパネル、AIプロセッサー、入力信号などに違いがあるものの、高グレード旧年式と低グレード新年式を比較すると画質などに大差ない場合もあるということです。
私も、有機ELテレビは、長年、ほしいほしいと思っていたこともあり、調べる時間は数百時間に及んでいますが、このあたりの比較は難しいところがあります。
私の場合、有機ELテレビはほぼテレビゲーム専用になり、しかも今はそれが「Xbox Series X」中心であることから、その性能を満喫するためには以下のような機能が必須になります。
4K、120Hz(リフレッシュレート)、自動低遅延モード(ALLM)、可変リフレッシュレート(VRR)。入力端子がHDMI 2.1であれば、これを満たしていると考えられます。

そこで、LGの有機ELテレビのうち、48インチで「B」か「C」グレードで、入力端子がHDMI 2.1で、12万円以下のものから検討しました。
購入時にその対象になったのが、Joshin Webとエディオンネットショップで販売されていたモデルで、見事にグレードと年式がクロスしていたのですが、エディオンはセール価格に期限があり、価格的に有利なJoshin Webで購入することにしました。
購入したのは、「OLED48C3PJA」で、2023年7月上旬に発売された48インチの「Cグレード」モデルになります。購入時の価格は11万7810円で、リサイクル料金+収集運搬料金が4620円ですが、割引クーポンが13500ポイントあり、総支払額が10万8930円でした。
割引クーポンが使えるぎりぎりのタイミングで購入したものなのですが、4K/120Hz/ALLM/VRR対応の48インチ有機ELテレビがリサイクル料金込みで10万8930円で買えたのですから、十分にお買い得だったと言えます。
そんな「OLED48C3PJA」の仕様を、少し長くなりますが以下に列挙しておきましょう。

オーディオ
AIサウンド、AIサウンドプロ(9.1.2chバーチャルサウンド)、オートサウンドチューニング、オーディオコーデック(AC4、AC3、EAC3、HE-AAC、AAC、MP2、MP3、PCM、WMA、apt-X)、実用最大出力(JEITA)40W、Bluetoothサラウンド対応(2Way再生)、クリアボイスプロ、Dolby Atmos、サウンド同期、同時音声出力、テレビサウンドモード共有、スピーカー方式: ダウンファイアリング方式、スピーカー: 2.2ch、WiSA(WiSA 2.1ch)、WOWオーケストラ。

映像(表示)
画素数(水平×垂直): 4K(3840 x 2160)、画面タイプ: 4K OLED、リフレッシュレート(垂直走査周波数): 120Hz、広色域: OLED Color。

接続性
Bluetooth 5.0、有線LAN(RJ45)1、HDMI ARC(Audio Return Channel): eARC(HDMI 2)、HDMI入力端子: 4(4K@120Hz、eARC、VRR、ALLM、QMS対応)、ヘッドホン出力端子1、RF入力端子(アンテナ/ケーブル)2、Simplink(HDMI CEC)、光デジタル音声出力端子(S/PDIF)1、USB端子3(USB2.0)、WiFi: Wi-Fi 5(IEEE802.11ac、a/b/g/n対応)。

外形寸法/重量
梱包サイズ(WxHxD, mm)1373 x 735 x 162、梱包質量(kg)20.5、外形寸法(WxHxD, mm、テレビスタンド含まず)1071x 618×46.9、外形寸法(WxHxD, mm、テレビスタンド含む)1071x675x230、テレビスタンド(WxD, mm)470×230、本体質量(テレビスタンド含まず (kg))14.9、本体質量(テレビスタンド含む(kg))16.8、VESA規格(WxH, mm)300×200。

ゲーム機能
ALLM(自動低遅延モード)、AMD FreeSync Premiumテクノロジー、ゲームオプティマイザ(ゲームダッシュボード)、NVIDIA G-SYNC Compatible、HGiGゲームモード、VRR(可変リフレッシュレート)。

映像(処理)
AI輝度、AIジャンル選択(SDR/HDR)、AI映像: AI映像プロ、AIアップスケーリング: AI 4Kアップスケーリング、調光技術: ピクセル自発光、ダイナミックトーンマッピング(OLEDダイナミックトーンマッピングプロ)、FILMMAKER MODE、HDR(High Dynamic Range): Dolby Vision/HDR10/HLG、FHR(ハイフレームレート): 4K 120fps(HDMI、USB)、動きくっきり: OLED Motion、映像モード: 10モード(パーソナルな映像、あざやか、標準、省エネ、シネマ、スポーツ、ゲームオプティマイザ、FILMMALKER MODE、エキスパート(明るい空間、昼間)、エキスパート(暗い空間、夜間)、映像エンジン: α9 AI Processor 4K Gen6。

SMART TV

アートギャラリー、いつでもOK、ファミリー設定、フルウェブブラウザ、ハンズフリー音声認識、音声認識、マジックリモコン対応(同梱)、マルチビュー、オペレーティングシステム: webOS 23、ルームシェア(送信/受信)、モバイルリモートアプリ(LG ThinQアプリ)、スポーツアラーム、ThinQ、USBカメラ対応、Apple AirPlay 2、Apple Home。

付属品
電源ケーブル: テレビ直付け、リモコン: マジックリモコン

電源
電源入力: AC 100V 50-60Hz、消費電力(待機時): 0.5W。

このように、オーディオも映像も接続性もゲーム機能も、これでもかというほど盛りだくさんの機能が盛り込まれており、さすがは有機ELテレビ、さすがはLG、といったところです。
これはハイグレードで高コストパフォーマンスモデルの「OLED48C3PJA」の仕様ではあるのですが、LGの有機ELテレビはグレードと年式による仕様に大きな違いはなく、自分が必要とする仕様さえ満たしていれば、グレードと年式の違いにさほどこだわることもありません。
グレードと年式が異なるモデルを2台並べて見比べても、有機ELテレビと液晶テレビを見比べるほどの違いはなく、コストパフォーマンスで選んでも構わないのではないかと思います。

Joshin Webでは、配送・設置を無料で行ってくれるのですが(地域による)、アンテナを取り付ける場所が従来とは左右逆になるためアンテナの長さが足りず、テレビ台の下にテレビスタンドを装着した状態で置いてもらいました。
そのため、自分でテレビ台の上に持ち上げたのですが、本体質量(テレビスタンド含む)自体は16.8kgと軽く、プラズマテレビも自分で置いた経験上、重さ的には大したことがありませんでした。
ただ、LGの有機ELテレビは、背面上部は有機ELパネルのみになっており、テレビの上部をつかむということはできません。
そのため、ひとりでテレビ台の上に持ち上げる場合には、下側を持つか、上から裏側下部を抱えるように持ち上げる必要があります。
私は、後者のやり方の方が前後のバランスがとりやすかったため、そのようにしてテレビ台の上に置き、それから微調整を重ねました。また、配線も上から裏側を覗き込んで行っています。
テレビ台はこういう時のためにキャスター付きにしてあるのですが、テレビ台を引っ張り出すのも手間がかかり、プラグもテレビ台の上で差し込めるようにしてあるため、少し見づらかったものの、これで行いました。

テレビを買うとまずは初期設定から行うのですが、これは20年前に買ったテレビでも同じではあるものの、対話形式で順に行っていくだけなので簡単です。
初期設定が終わると、映像を自分好みの画質、もしくは、よく使うソースに合わせた画質に調整していくと思いますが、「OLED48C3PJA」には「パーソナルピクチャーウィザード」という便利な機能が搭載されています。
これは、画面の案内に従って表示された画像から好みの画像を1~2枚選択し、これを数回繰り返すことで、AIがユーザーの好みを判別し、8500万通りの中からユーザーに最もふさわしい映像モードを視聴できるようにしてくれるというものです。
私は、通常は現在視聴している映像を見ながら、あれこれと微調整していくのですが、せっかくなので「パーソナルピクチャーウィザード」を使ってみることにしました。
実際、この過程を繰り返していくと、AIが「徐々に分かってきました」とか「あと少しです」みたいなことを表示して、まさに対話形式で自分好みの映像に近づけてくれるのです。これがなかなか的を射ていて、最終的に提示された画質にこれといった不満も違和感も覚えることはありませんでした。

画質については、この状態で提示された画質で、地上波とBSのチャンネルの最終設定を行っていたのですが、「シャープ LED AQUOS LC-40V8」で見ていたものとは桁違いに美しかったです。
「OLED48C3PJA」の映像エンジンは「α9 AI Processor 4K Gen6」ですが、「AIアップスケーリング」、「OLEDダイナミックトーンマッピングプロ」、「オブジェクト型リアルタイム映像処理」により、見違えるほどの画質になっているのです。
フルHDのテレビ放送を4Kテレビで見ても大した違いはないと言う人もいますが、フルHDの液晶テレビと4Kの有機ELテレビでは大きな違いがあります。
ちなみに、それまでテレビゲーム専用に使っていた「SAMSUNG 49MU7000」も、テレビゲーム用に映像調整したものをテレビ用に映像調整したところ、さすがは4K液晶テレビというぐらい美しい映像になりました。
「シャープ LED AQUOS LC-40V8」の視聴時間と経年劣化を差し引いても、4KテレビのアップスケーリングによりフルHDテレビ以上に美しい画質になるのは確かです。

肝心のテレビゲームにおける画質ですが、これもびっくりするぐらい美しくなります。「SAMSUNG 49MU7000」も、テレビゲーム専用としてかなりの時間をかけて調べた上で購入したため、とてもきれいな映像で楽しめてはいたのですが、有機ELテレビはそれを凌駕するものがありました。
有機ELテレビは、各画素が自発光するため、液晶テレビがバックライトを使わざるを得ないのと比べると、より鮮やかで高コントラストのはっきりくっきりした映像が楽しめます。
「SAMSUNG 49MU7000」も黒の表現に優れていたのですが、「OLED48C3PJA」は黒の表現が優れているのはもちろんのこと、色彩がより鮮やかで高コントラストのはっきりくっきりした映像になっており、惚れ惚れするほどです。
もちろん、液晶テレビが斜めからの視聴に弱いのに対し、有機ELテレビは斜めから見ても画面が白っぽくなることもありません。
ちなみに、「SAMSUNG 49MU7000」は、それまではテレビゲーム専用で使っていたため、テレビ用にすると斜めから見たら白っぽかったのですが、頑張ってテレビ用に調整したので、斜めから見た際の白っぽさはかなり改善されています。
テレビゲームの画質に関しては、応答速度が0.1ms(標準値)、「NVIDIA G-SYNC Compatible」、「AMD FreeSync Premiumテクノロジー」対応、HDMI端子4ポートがHDMI 2.1対応と申し分ありません。
「Xbox Series X」はもちろんのこと、「PlayStation 5」を買い足しても、HDMI端子で困ることはなく、両者の性能をフルに堪能することができます。

音質は、私はホームシアターシステム「サムスン HT-J4500」に接続しているため、テレビのスピーカーを活用することはないのですが、少し聴いたところではそれなりに聴けそうな感じでした。
「AIクリアサウンド」、「アダプティブサウンドコントロール」、「オートバランスコントロール」、「バーチャル9.1.2ch」などの機能があり、薄型テレビのスピーカーとしては良さそうです。
マジックリモコンは、初めて使うので少しコツも必要ですが、マジックリモコンとしても通常のリモコンとしても使うことができ、マジックリモコンが使いづらくても通常のリモコンとして使うことができます。
独自OSの「WebOS 23」と動画アプリに関しては、私はテレビゲーム専用で使っていて近くのパソコンが常時起動しており、ケーブルテレビと契約していて「Google Home Mini」と「Chromecast」もあり、これらを活用する機会はないのですが、見た目は使いやすそうな感じです。

ここまで有機ELテレビ「OLED48C3PJA」をレビューしてきましたが、同価格帯の4K液晶テレビはもちろんのこと、他社の有機ELテレビや、より高額な4K液晶テレビと比べても、コストパフォーマンスが高くなっています。
「Xbox Series X」や「PlayStation 5」をはじめとしたテレビゲームをプレイする機会の多い人なら、LGの有機ELテレビの旧機種はコストパフォーマンスに優れていますし、最新機種と比べても画質的には遜色ないため狙い目です。
これまで液晶テレビを使っていた人なら、有機ELテレビに替えることで段違いの映像体験が得られるので、機会があればぜひとも購入してほしいと思います。

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